総括
FX「PMI弱く景気後退懸念。1月は利下げ予想もランド安に配慮」南アランド見通し
「通貨11位、株価11位」
「予想レンジ 南アランド円8.0-8.5」
(ポイント)
*2025年初はトリプル安でスタート
*ランドは対ドルで9ヶ月ぶり安値に下落
*二つのPMIが弱い
*1月は0.25%利下げがやや優勢もランド相場次第か
*リセッションとなるか。3Qはマイナス成長
*水のインフラ整備が重要
*対米関係は AGOAに注目
*南ア、12月1日からアフリカ初のG20議長国に就任
*BRICS新通貨構想はない(財務大臣)
*鉱産物価格は弱い
(2025年初はトリプル安でスタート。ランドは対ドルで9ヶ月ぶり安値に下落)
年初は弱い。12通貨中11位。ランドは対ドルで9ヶ月ぶり安値に下落、1ドル19ランドを突破した。全株指数は19市場中11位で0.75%安。10年国債利回りは年初の9.04%から売られて利回り上昇で9.25%。トリプル安だ。
(二つのPMIが弱い、景気後退か)
12月S&PのPMIは49.9で前回の50.9より3か月ぶりに低下。12月アブサ製造業PMIは46.2で前回の48.1から低下した。これらも南アランドの売り、株売りに繋がった。
アブサPMIは低迷したままであり、これは製造業に対する信頼の低下を反映しており、南ア経済が2024年4Qに景気後退(リセッション)に陥ったことを示している可能性がある。
(今月は利下げか)
南ア中銀が今月、0.25%の利下げを実施すると予想されている。トランプ次期米大統領の対外政策に関して不確実性が大きいことを認めたが、エコノミストらは南アが今月下旬に利下げを行うと引き続き自信を持っている。
「トランプ次期政権の不確実性は南アのような新興市場に間接的に影響を及ぼす可能性があり、南ア中銀は金融政策を慎重に進めることになる。国内的には、南アのインフレ率は目標範囲である3%~6%の範囲内に留まっており、2025年にはさらなる利下げの余地がある」とされている。
今月は0.25%の利下げを予想しているが、特にドル高ランド安を考えると0.5%はないだろう。
(3Qはマイナス成長だったので、景気後退リスク)
南アの3Q・GDPは前期比0.3%減と、予想外のマイナス成長となった。
予想は0.5%増だった。
農業生産が28.8%減と、大幅に落ち込んだ。穀物などの生産が減少した。トウモロコシと大豆が干ばつの影響を受けたという。
農業部門の縮小を除けば、GDPは0.4%増となり、これはコンセンサス予想に非常に近い数字となる。