主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年1月27日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼24日(金)の為替相場
(1):日本CPI加速
(2):米大統領「それを使いたくない」
(3):日銀 予想通りの利上げ
(4):日銀総裁 追加利上げに慎重な姿勢
(5):独PMI予想を上回る
(6):英国PMIも予想を上回る
(7):米PMIはまちまち
▼24日(金)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:レンジ取引が続く公算/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
24日(金)の為替相場
期間:24日(金)午前7時10分~25日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本CPI加速
日本12月消費者物価指数(CPI)は、日銀が重視する生鮮食品を除いたコアベースで前年比+3.0%と予想通りに前月(+2.7%)から加速。コアCPIの伸びが3%を超えたのは1年4カ月ぶり。政府の電気・ガス代補助がいったん終了したことでエネルギー価格が上昇し、全体を押し上げた。
(2):米大統領「それを使いたくない」
米国のトランプ大統領は、FOXニュースのインタビューで「われわれは中国に対し一つの非常に大きな力を持っている。それは関税だ。彼らはそれを望んでおらず、私はむしろそれを使いたくない。ただ、それは中国に対し極めて大きな影響力がある」と語った。トランプ関税が想定ほど厳しいものにならないとの思惑でドルが売られた。クロス円はストレートドルの上昇につれて強含んだ。
(3):日銀 予想通りの利上げ
日銀は政策金利を0.25%から0.50%に引き上げると発表。事前の観測報道で利上げはほぼ完全に織り込まれていたことから円相場は出尽くし売りが先行した。しかし、日銀が展望リポートで物価見通しを引き上げた上に、「24年度と25年度は上振れリスクの方が大きい」との認識を示したことで、早期の追加利上げの可能性が排除できなくなったとの見方から次第に円買いが優勢となった。
(4):日銀総裁 追加利上げに慎重な姿勢
日銀の植田総裁は会見で、政策金利が0.5%に上昇しても「(景気・物価に中立的となる)中立金利にはまだ相応の距離があるとみている」として、まだ利上げの余地があることを示唆しつつも、今後の利上げのペースやタイミングについて「経済・物価・金融情勢次第で予断は持っていない」「今回の利上げの影響がどう出てくるか確かめつつ、今後の進め方を決めていきたい」と発言。植田総裁の会見に追加利上げに慎重な姿勢が滲んだとの見方から次第に円売りが優勢となった。
(5):独PMI予想を上回る
独1月PMI・速報値は、製造業44.1、サービス業52.5と、いずれも市場予想(42.7、51.0)を上回った。その後に発表されたユーロ圏1月PMI・速報値は製造業が46.1と予想(45.4)を上回った一方、サービス業は51.4とわずかに市場予想(51.5)に届かなかった。
(6):英国PMIも予想を上回る
英1月PMI・速報値は製造業48.2、サービス業51.2といずれも市場予想(47.0、50.8)を上回った。
(7):米PMIはまちまち
米1月PMI・速報値は製造業が50.1と市場予想(49.8)を上回った一方、サービス業は52.8と予想(56.5)を下回った。