

ワンルームマンション投資は、比較的安い価格帯で始められることから、多くの方が取り組んでいる不動産投資の一つです。
本記事では、ワンルームマンション投資の基本知識に加え、成功するためのポイントや事例を解説します。
目次
1.ワンルームマンション投資とは?

ワンルームマンション投資とは、主に単身会社員や学生などをターゲットに、1Rや1Kの分譲マンションを貸し出して家賃収入を得る投資方法です。家賃収入のインカムゲインを目的にするのが一般的ですが、売却して利益を得るキャピタルゲイン狙いの投資家もいます。
ワンルームマンションは比較的少ない初期投資額で始めることができ、管理にかかる手間も少ないことから、初心者向きの物件タイプといわれています。
2.ワンルームマンション投資のメリット

ワンルームマンション投資には、さまざまなメリットがあります。代表的なメリットとして、以下の7つが挙げられます。
2-1.初期費用を抑えやすい
不動産投資では多くの初期費用がかかりますが、ワンルームマンションはファミリー向け物件に比べて価格が安く、比例して初期費用も低く抑えることができます。ワンルームであれば新築で数千万円程度、中古なら1,000万円以下で購入できる物件もあります。売主直販の新築ワンルームマンションは、仲介手数料がかからないのもメリットです。
2-2.融資を受けやすい
収益不動産物件の取得には金融機関から融資を受けることが一般的です。融資の審査を受ける際は、個人の属性に加え物件の担保価値も重視されます。東京23区や横浜、名古屋といった大都市圏のワンルームマンションは資産価値が高いと評価されやすく、融資審査に通りやすいというメリットがあります。
2-3.家賃を高めに設定可能
家賃設定は立地や建物のタイプ、築年数などの要因によって決まります。木造のアパートと比較すると、RC(鉄筋コンクリート)造や鉄骨造の建物が中心のワンルームマンションは家賃設定を高くすることが可能です。特に、複数路線が乗り入れている駅に近いマンションは高い賃貸ニーズが見込まれるため、家賃を高めに設定できます。
2-4.運用が安定しやすい
マンション経営が安定するためには、継続した入居者の需要が必要です。ワンルームマンションは単身会社員や学生がメインターゲットとなります。新社会人や新大学生は毎年必ず誕生するので、安定した新規需要の発生が期待できます。
特に東京都は、2020年の時点で単身世帯が50.2%と半分を超えています。国立社会保障・人口問題研究所の推計では2050年までに27都道府県で4割以上が単身世帯になると予測されています。
2-5.物件を売却しやすく、流動性が高い
不動産投資では出口戦略も大事なポイントです。取引が活発に行われる物件は現金化もしやすく、不動産投資のリスクの1つである流動性リスクを抑制できます。
特に、東京23区など大都市圏のワンルームマンションは賃貸需要が多く、買い手が付きやすい傾向にあります。
2-6.修繕やリノベーションが簡単に行える
中長期目線での賃貸経営を行う場合、修繕やリノベーションは避けてとおることができません。ワンルームマンションは専有面積が小さく、修繕やリノベーションを行う際のコストを低く抑えることができます。また、入居者の入れ替えに伴う原状回復費はオーナーが負担する部分がありますが、コンパクトな床面積や設備であれば、発生する費用も少なく済みます。
2-7.インフレ対策になる
ワンルームマンション投資はインフレ対策としても効果的です。インフレになると多くの物やサービスの価格が上昇します。不動産も同様に物件価格や家賃の水準が上がるため、収入増に結びつきます。ワンルームマンションを持つことで、インフレによる物価高の影響を緩和することができるのです。
3.ワンルームマンション投資のデメリット

メリットが多いワンルームマンション投資ですが、以下のようなデメリットもあるので、理解したうえで始める必要があります。
3-1.一棟物件と比べると低利回り
ワンルームマンションは、アパートなどの一室あたりの価格が低い物件と比べ利回りは低い傾向にあります。
大都市圏のマンション物件は特に価格が高いので、利回りが低くなるのは避けられません。
3-2.空室率が上がりやすい
区分ワンルームマンションを1戸所有している場合、退去者が出ると空室率は100%となります。空室期間中は家賃収入が発生せず、預貯金でローンの返済を続ける必要があります。
一方で4戸の物件を保有していると、1戸空室が出ても残りの3戸は稼働しているので、家賃収入が途絶えることはありません。複数戸での分散所有は空室リスクの対策として効果的です。
3-3.大きな節税効果は見込めない
税金対策のために不動産投資をする人もいます。不動産投資では減価償却費という会計上の赤字を活用し、課税所得金額を少なくすることができます。
しかし、ワンルームマンションは減価償却費の計算根拠となる耐用年数が比較的長く、一戸のみでは大きな節税効果は見込めません。
4.ワンルームマンション投資の成功例

実際にワンルームマンション投資を行って成功しているオーナーは、どのような経緯でマンション経営を始めたのか、3つの成功例を見てみましょう。
4-1.40代Kさんの成功例
40代でシステムエンジニアのKさんは、株とFXで200万円ほどの損失を出したことをきっかけにマンション経営を始めました。投資を趣味として楽しんでいたKさんは、株やFXで失敗を経験しても投資そのものを諦めるつもりはなく、新たな投資先としてマンションに目を向けます。
信頼できる不動産会社の担当者と出会い、最初に購入したのがJR京浜東北線西川口駅徒歩4分の好立地物件でした。川口は埼玉県内では大宮、浦和に次ぐ人気のエリアです。昔は鋳物の街として栄えました。西川口の成功でワンルームマンション投資に確信を持ったKさんは、その後も東京の蔵前と多摩川の物件も購入し、今では3戸から家賃収入を得ています。
もちろんローンはありますが、Kさんは「運用のための借金は将来への投資」という名言を語り、悠々自適なオーナーライフを送っています。
Kさんの実体験をもとにした漫画はこちら
【漫画Vol.6】40代男性が株やFXの失敗から辿り着いたマンション経営
4-2.40代Mさんの成功例
40代で大学教授のMさんは、歯科医師でもあることから年収が1,100万円と高く、節税の必要に迫られていました。不動産会社の担当者から「節税できる物件があります」との電話が入り、興味を示すと節税効果だけでなく、現物資産としても価値が高い物件であることがわかりました。
最初に購入したのは東京の中野新橋にある物件で、実家から近く土地勘があったことや、新宿や渋谷へのアクセスの良さから将来性を感じたことが決め手となったそうです。その後、多摩川、押上、西横浜の物件を追加で購入し、現在は4戸を所有しています。
Mさんは当初、入居率に不安を感じていたといいます。しかし、7年間のマンション経営で空室が出たのはわずか1度だけで、それもすぐに埋まりました。
はじめは節税対策として物件を購入しましたが、結果的に好立地の新築ワンルームマンションで不動産資産を拡大することができた好事例といえます。
Mさんの実体験をもとにした漫画はこちら
【漫画Vol.11】物件購入の決め手は営業電話。今では4件を所有するオーナーの成功ストーリー
4-3.30代夫婦の成功例
こちらは、共に産婦人科医として活躍する30代のご夫婦で、合わせて年収3,200万円というパワーカップルの成功例です。ご主人は研修医の時期から不動産に着目し、それまで行っていた株やFXよりも若いうちに始めるなら不動産のほうが有利と判断。
最初に購入した物件は東京都港区海岸で、価格は4,000万円。不動産投資の花形エリアである「港区」という立地と自身の判断を信じ、思い切って購入を決断したそうです。この決断が功を奏し、現在ではご夫婦で12戸のマンションを所有するまでに至っています。
ご主人は「医師にとって不動産投資はベストな選択」と語ります。医師という職業が持つ高い信用力は、金融機関からの融資を受けるうえで大きな強みとなります。ご夫婦が医師という職業を活かして、マンション投資で成功を収めた好事例です。
30代夫婦の実体験をもとにした漫画はこちら
【漫画Vol.9】30代夫婦ともに医師!パワーカップルはなぜマンション経営をはじめたのか
5.ワンルームマンション投資で成功するポイント

ワンルームマンション投資で成功するために行うべきポイントは以下の7つです。
5-1.投資目的を明確にしてから物件を選ぶ
どのような投資でも、目的を明確にしてから始めないと適切な運用ができません。例えば、売却を前提に不動産投資を行う場合は、買い手が付きやすい都心部や需要の高いエリアに位置するワンルームマンションが適しています。
5-2.立地や設備など入居者の需要を重視する
ワンルームマンション投資で入居者を確保するには、ターゲットに選ばれる立地や設備の物件を購入する必要があります。主要ターゲットである単身会社員や学生は通勤・通学の便を重視するので、駅から徒歩10分圏内が立地の必要条件です。
また、設備面では単身者にとって魅力的なアイテムを装備する必要があります。具体的には、エアコン、モニター付きインターフォン、無料インターネット、24時間ゴミ置き場、宅配ボックスなどです。
5-3.購入前に出口戦略を複数検討しておく
物件を継続的に保有して家賃収入を得るつもりでも、予期せぬ価格まで値上がりした場合は、売却して利益を得るなど、複数の出口戦略を検討しておくのも効果的です。
いくらまで値上がりしたら売却するなど、基準を決めておけば市場の変動に応じた賃貸経営が可能になります。近年マンション価格が右肩上がりで上昇しているので、出口戦略の重要性はますます高まっています。
5-4.運用コストも考慮して収益シミュレーションを行う
収益をシミュレーションする際に欠かせないのが、ローンの返済計画と運用コストの考慮です。ローン返済額は借入金額や金利、返済期間によって大きく異なります。運用コストは多岐に渡りますが、その中でも特に注目すべきは、不動産管理会社に支払う管理委託費です。
この費用は家賃の約5%が相場とされ、長期的に見ると大きなコストとなります。家賃10万円の物件なら5,000円程度が相場になるので、収益シミュレーションでは必ず計算に入れることが大切です。
5-5.入居者トラブルを防ぐ対策を取る
賃貸経営を行う際に、オーナーが心配することの一つに入居者が原因のトラブルがあります。ペット飼育や騒音問題、ゴミ出しのルール違反など原因はさまざまです。
対策としては入居審査を厳しくする方法がありますが、最も簡単な対策は不動産管理会社に管理を委託することです。コストはかかるものの、管理が行き届くことでトラブルの早期解決や退去者の減少が期待できるため、長期的には経営にとってプラスとなると考えられます。
5-6.マンション管理組合へ積極的に参加する
分譲マンションを購入した場合、オーナーは管理組合の組合員になります。管理組合は、建物全体や共用部の維持管理、長期修繕計画の策定など、マンションの適切な運営において重要な役割を担います。総会をはじめ管理組合の意思決定会合に積極的に参加することで、マンションが抱えている問題を把握し、ときに改善を提言する機会を得ることもできます。
5-7.信頼できる不動産会社を選ぶ
ワンルームマンション投資成功の可否は、取引する不動産会社によっても大きく左右されます。不動産会社には、それぞれ得意とする物件タイプがあります。マンションやアパート、一戸建て、オフィス、土地などにそれぞれ特化している会社もあるので、自分が購入したい物件タイプを得意とする会社を選ぶのが理想です。
ワンルームマンション投資を考えるなら、ワンルームマンションの企画、開発、販売、管理まで行う総合不動産会社を選んだほうがよいでしょう。ワンストップで取引できる会社であれば全工程で任せることができ、安心して賃貸経営をすることができます。
6.ワンルームマンション投資で失敗しないための注意点

ワンルームマンション投資で失敗しないためには、以下の3つのポイントに注意する必要があります。
6-1.収益シミュレーションは厳しめに行う
不動産投資を始めるときは、希望的観測でシミュレーションをしがちです。ローンを組んで不動産を購入する場合、空室期間の長期化など最悪のケースを想定しておかなければなりません。収益シミュレーションは、ローン返済後に毎月いくら手元に残るか厳しめに行う必要があります。シミュレーションの結果キャッシュフローが赤字になるようなら、資金計画をもう一度練り直す作業が必要です。
6-2.その場の勢いで衝動買いしない
不動産は数千万円から億単位の高額な商品です。よく調べず衝動買いすることは、絶対に避けなければなりません。高い場合はもちろんですが、安い場合も注意が必要です。
周辺相場より安い価格で売り出されているのは何らかの理由があるはずで、長期間空室が続いている物件なら安く買ってもリフォームや設備更新などの対策費がかさんで採算が取れない可能性があります。担当者にすすめられた場合でも、内容がよく理解できていないのであればその場で決めずに持ち帰ってじっくりと検討することが大切です。
6-3.全て自己責任であることを自覚する
不動産に限らず、投資は自己責任で行うのが原則です。不動産の物件広告は基本的にセールスポイントを強調して作成されています。広告だけを鵜呑みにせず、内覧や現地調査を実施して周辺環境も確認したうえで判断することが重要です。担当者からすすめられた物件であっても、最終的に購入を決めるのは自分であることを自覚する必要があります。
7.成功するポイントや注意点を守って行おう

ワンルームマンション投資は、初心者でも始めやすい投資の一つですが、すべての人が成功するとは限りません。ワンルームマンション投資で成功するためのポイントをしっかり押さえ、失敗しないための注意点を守って行う必要があります。
そして、長期的に経営のパートナーとなる、信頼できる不動産会社を選ぶことが不動産投資成功への近道となります。記事中で紹介した3組の成功例も参考にしながら、ワンルームマンション投資の成功を目指しましょう。
(提供:Dear Reicious Online)
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