
主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年10月9日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也
目次
▼8日(水)の為替相場
(1):日本の実質賃金 8カ月連続のマイナス
(2):独連銀総裁「金融スタンスは正しい方向」
(3):仏首相「一定の進展」
(4):米政権 EUへ新たな譲歩要求
(5):FOMC議事録公表
▼8日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:円安のピッチはさらに緩やかになる公算/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
8日(水)の為替相場

期間:8日(水)午前6時10分~9日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本の実質賃金 8カ月連続のマイナス
日本8月毎月勤労統計で現金給与総額は前年比+1.5%となり、市場予想(+2.7%)を下回った。物価上昇の影響を除いた実質賃金は前年比-1.4%となり、8カ月連続でマイナスとなった。
(2):独連銀総裁「金融スタンスは正しい方向」
ナーゲル独連銀総裁は「現在の欧州中銀(ECB)の金融政策スタンスは正しい方向にある」「インフレ率は2%の目標に近づいており、今後数年間は同水準を維持する見通し」と語った。
(3):仏首相「一定の進展」
退任予定のルコルニュ仏首相は、国民議会(下院)の各勢力との協議で「年末までに予算を組むという共通の意思があり、財政赤字の削減はフランスの信頼性のカギとなる」と一定の進展があったと述べた。マクロン仏大統領が48時間以内に新首相を指名できる見通しだと語った。
(4):米政権 EUへ新たな譲歩要求
欧州連合(EU)当局者は、米国がEUに対し新たな貿易上の譲歩やその他の要求をしていることを明らかにした。この要求は、今月初めにトランプ米政権が「『相互的で公平、バランスの取れた』貿易の実現に向けた新たな提案書」としてEUに送付したもので、米国とEUが8月に結んだ貿易合意を骨抜きにしかねない内容とのこと。当局者は詳細を明らかにすることは控えた。
(5):FOMC議事録公表
米連邦準備制度理事会は9月16-17日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を公表。「年内の追加緩和が適切である可能性が高いと大部分の参加者が判断した」とした一方で、「インフレ見通し上振れリスクを重視する参加者が過半数を占めた」と記してあった。また、「数人の参加者は今回の会合で利下げを見送ることにメリットがある、あるいはその決定に賛成していた可能性があると述べた」と一部の当局者が利下げに慎重な姿勢を示していたことも明らかになった。労働市場については「参加者は全般に、労働市場の状況を示す最近の指標に急激な悪化は見られなかった」と記してあった。9月の会合では25bp(0.25%ポイント)の利下げに11名が賛成、反対は1名で50bp利下げを主張したミランFRB理事だった。