外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2025年10月17日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉

目次

▼16日(木)の為替相場
(1):豪失業率 約4年ぶり水準へ悪化
(2):英月次GDPは小幅増
(3):自民・維新 政策協議を開始
(4):米経済指標悪化
(5):米金融機関の健全性への懸念
(6):日銀総裁 G20閉幕後に会見

▼16日(木)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値は限定的となりそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

16日(木)の為替相場

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

期間:16日(木)午前6時10分~17日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):豪失業率 約4年ぶり水準へ悪化

豪9月新規雇用者数は1.49万人増と市場予想(2.00万人増)を下回った。同失業率は4.5%と予想(4.3%)を上回り、2021年11月以来の水準に悪化した。

(2):英月次GDPは小幅増

英8月国内総生産(GDP)は市場予想通りの前月比+0.1%、同鉱工業生産は前月比+0.4%と予想(+0.2%)を上回った。また、8月貿易収支は211.83億ポンドの赤字となり、赤字額は予想(220.00億ポンド)より少なかった。

(3):自民・維新 政策協議を開始

自民党の高市総裁と日本維新の会の藤田共同代表は連立政権樹立に向けた政策協議を開始。会談後に藤田代表は「基本政策は、かなり共有していると確認できた。信頼関係が一段上に上がった」と語った。両党が政策協議で合意に至れば、維新は高市氏に投票するため、高市首相の誕生へ大きく前進する。両党の主張の溝が埋まらなかった主要政策は、維新が要求する2年間の食品の消費税率0%への引き下げと、企業・団体献金の禁止の2点とされ、これらについて両党が歩み寄れるかが今後の焦点となる。

(4):米経済指標悪化

米10月フィラデルフィア連銀景況指数は-12.8と市場予想(+10.0)に反して低下。同NY連銀サービス業活動指数は-23.6と2021年1月以来の低水準となった。

(5):米金融機関の健全性への懸念

NYダウ平均が46000ドル台を割り込んで下落。米中貿易摩擦の激化に対する懸念や、金融機関の健全性に対する懸念が心理的な重しとなった。なお、米大手地銀ウエスタン・アライアンス・バンコーポレーションとザイオンズ・バンコーポレーションが、それぞれの融資について借り手の不正を発見したとして取引先を提訴したことが明らかになった。米国では、自動車部品メーカー、ファースト・ブランズ・グループ(FBG)や自動車ローン事業者、トライカラー・ホールディングスが9月に経営破綻しており、債権者に想定外の損失が発生するリスクがくすぶっていた。

(6):日銀総裁 G20閉幕後に会見

日銀の植田総裁は20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の閉幕後に会見を行い「見通しの確度が上がっていけば、その度合いに応じて適宜金融緩和の度合いを調整していくという姿に全く変わりはない」とあらためて表明した。米国の関税政策の影響については「下方リスクとして織り込まざるを得ないというのが色々な人の評価だと思う」との認識を示した。その上で「10月の金融政策決定会合に向けてもう少し情報収集に当たりたい」と語った。