
総括
FX「IMFが成長見通し大幅修正。ただ暗い話もある」メキシコペソ見通し
予想レンジ 7.9-8.4
(通貨2位、株価5位)
(ポイント)
*テクニカル=十字線から反落
*IMFが成長見通し大幅修正。ただ暗い話もある
*メキシコペソは年初来2位
*株は強い 金利は低下傾向
*3Q・GDPは弱そう
*国内で大量殺人事件が発生(麻薬カルテルか)
*米国は50人以上のメキシコ政治家のビザを取り消す
*米国がメキシコに対して一方的な軍事行動を取る可能性を繰り返し示唆
*メキシコから米国への不法越境者、過去50年以上で最も低い水準に
*中銀議事要旨では追加利下げを示唆
*USMCA見直しの準備交渉始まる、2国間か3国間か
*大統領支持率73%!
*郷里送金減少傾向
*FDIは米関税賦課の不確実性の中でも増加
*米との論点=関税、麻薬、移民、LA騒乱、送金課税、USMCA、司法、水、等々
(メキシコペソは年初来2位)
先週はメキシコペソが一時スイスを抜いて首位奪取(年間)したが続かず現在は2位。対円8.09%高、対ドル11.50%高。ボルサ株価指数はは年初来26.27%高。10年国債利回りは8.5%で年初の10.83%から低下傾向。
(IMFが成長見通しを大幅上方修正)
IMFは10月14日、メキシコの25年の成長見通しを7月の0.2%から1.0%に大幅上方修正した。米国の対メキシコ関税率が予想を下回ったことがある。これまでは米国の関税政策の影響を強く受けると想定されていた。シェインバウム大統領は4月にも「IMFの予測はわが国の大蔵公債省の試算とは一致しない」として異議を唱えていた。経済成長の鈍化への対応策として、国内産業の強化計画「プラン・メキシコ」を引き合いに出していた。最新の大蔵公債省による発表では、2025年の実質GDP成長率の推定値は1.5~2.3%となっている。
(3Q・GDPは弱そう)
IMFなどが2025年の成長見通しを上方修正したが、10月30日に発表される3Q・GDPの予想は弱い。前期比で0.4%減少、前年比で0.8%減少。前期はそれぞれ0.6%増と前期比変わらずであった。
(50人以上のメキシコ政治家のビザを取り消す)
トランプ政権による麻薬カルテルとその政治的同盟者と疑われる者への取り締まり強化を受け、米政府はメキシコに滞在する少なくとも50人の政治家や政府関係者のビザを取り消した。「トランプ政権はメキシコにさらなる圧力をかけるための新たな方法を見つけている」と、2011年から2015年まで駐メキシコ米国大使を務めたトニー・ウェイン氏は述べた。
メキシコでは、特に与党モレナ党員に対するビザの取り消しが広範囲に及んでおり、同国と米国とのすでに不安定な関係がさらに複雑化する恐れがある。
シェインバウム大統領は、極めて重要な貿易交渉と安全保障協議が続く中、カルテル追及において米国と緊密に協力することを選択した。しかしながら、トランプ政権当局者らが米国がメキシコに対して一方的な軍事行動を取る可能性を繰り返し示唆していることを非難し、メキシコの主権を侵害すると主張している。