主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年12月18日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也
目次
▼17日(水)の為替相場
(1):日本貿易収支予想を上回る黒字
(2):英CPI 伸びが鈍化
(3):IFO企業景況感悪化
(4):ユーロ圏HICP下方修正
(5):FRB理事「FRBの独立性を絶対に守る」
▼17日(水)の株・債券・商品市場
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:堅調推移が続きそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
17日(水)の為替相場
期間:17日(水)午前7時10分~18日(木)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本貿易収支予想を上回る黒字
日本11月貿易収支は3223億円の黒字と市場予想(726億円の黒字)を大きく上回った。対米輸出が前年比+8.8%となり8カ月ぶりのプラスに転じた一方で、対中輸出は3カ月ぶりに減少した。
(2):英CPI 伸びが鈍化
英11月消費者物価指数(CPI)は前月比-0.2%と市場予想(±0.0%)を下回った。前年比でも+3.2%と予想(+3.5%)を下回り前月(+3.6%)から伸びが鈍化した。エネルギーや食品などを除いたコアCPIは前年比+3.2%と予想や前月(ともに+3.4%)を下回った。また、英中銀(BOE)が重視するサービスCPIは前年比+4.4%だった(予想、前月ともに+4.5%)。
(3):IFO企業景況感悪化
独12月IFO企業景況感指数は87.6と市場予想(88.2)に反して前月(88.0)から悪化した。現況指数は85.6と前月から横ばいだったものの、6カ月先の予測を表す期待指数が89.7と前月(90.5)から低下した。IFO経済研究所のフュースト所長は「楽観的な見通しは全くないまま、今年は幕を閉じようとしている」と評じた。
(4):ユーロ圏HICP下方修正
ユーロ圏11月消費者物価指数(HICP)・改定値は前年比+2.1%と速報値(+2.2%)から下方修正された。同コアHICPは+2.4%と速報値と同率の伸びだった。
(5):FRB理事「FRBの独立性を絶対に守る」
米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は、「米国の労働市場は非常に軟調であり、雇用の伸びはほぼゼロに近い」と労働市場への懸念を示した。そのうえで、現在の米国の金利は「中立水準から50-100bp(0.50-1.00%ポイント)高い」との見解を示した。一方で、「労働市場のためにFRBが劇的な措置をとる必要はない」とも指摘。「インフレが高止まりしているため、われわれは時間をかけることが出来る。利下げを急ぐ必要はない」と語った。また同氏はFRBの次期議長候補に名前が挙がっているが、トランプ大統領が異議を唱えたとしても、「FRBの独立性を絶対に守る」と強調した。