外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2025年12月19日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 為替アナリスト 中村勉

目次

▼18日(木)の為替相場
(1):BOE 僅差の利下げ
(2):ECB 金利据え置き
(3):米CPI 予想を大幅に下回る

▼18日(木)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:乱高下する可能性/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

18日(木)の為替相場

外為どっとコム トゥデイ
(画像=外為どっとコム マネ育チャンネル)

期間:18日(木)午前7時10分~19日(金)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):BOE 僅差の利下げ

英中銀(BOE)は予想通りに政策金利を4.00%から3.75%に引き下げた。同時に公表した議事録では、利下げが5対4の僅差で決定し4人は据え置きを主張していたことが判明。なお、前回据え置きを支持したベイリー総裁が今回は利下げに投票した。声明で「金利は引き続き緩やかな低下軌道にあると考えている」としつつ「しかし利下げを重ねるごとに、どこまで引き下げるかの判断は難しくなる」と表明。BOEが追加利下げに慎重な姿勢を示したとの見方からポンドが上昇した。

(2):ECB 金利据え置き

欧州中銀(ECB)は予想通りに政策金利である預金ファシリティ金利を2.00%に据え置いた。同時に公表したスタッフ予測で2026年と27年の成長率見通しをそれぞれ1.2%、1.4%に上方修正。インフレ率見通しは2026年を1.9%に引き上げた一方、27年は1.8%に引き下げて目標の2%付近に定着するとの予測を示した。ラガルド総裁はその後の会見で「物価が中期的に目標の2%で安定することを再確認した」と明言。今後の政策運営については「データ次第」と従来の方針を維持しつつも、当面は政策変更が不要との考えをにじませた。

(3):米CPI 予想を大幅に下回る

米11月消費者物価指数(CPI)は前年比+2.7%と市場予想(+3.1%)を大幅に下回った。食品とエネルギーを除いたコアCPIも前年比+2.6%と予想(+3.0%)を下回った。これを受けて、ドルは売りが優勢となった。ただ、CPIは政府機関閉鎖によって前月分のデータが欠落した上に、今回の調査期間が例年より遅い時期にずれ込んだことなどから、統計の正確性を疑問視する声が上がった。このため、米金利先物における1月利下げの織り込みにはほとんど変化がなかった。なお、CPIと同時に発表された米新規失業保険申請件数は22.4万件と市場予想(22.5万件)をわずかに下回った。