注目される高金利通貨

●分散投資の動き

トランプ政権の政策による不確実性の高まりを受け、投資家は資金の分散を図る動きを強めています。野村氏が注目している通貨として、南アフリカランドとメキシコペソが挙げられます。

・南アフリカランド
資源国として、中国やBRICS諸国、欧州などからの支援を受けて比較的堅調な推移を見せています。今後、格付けが投資適格級(BBB)に引き上げられる可能性もあり、その場合は資金流入が期待できる可能性があります。

・メキシコペソ
既に投資適格級の格付けを持ち、2025年は強い通貨の一つとして注目を集めました。財政規律の改善も進んでおり、長期的な投資対象として魅力があると考えられています。

●高金利通貨投資の考え方

野村氏は「高金利通貨は長期保有することで利益を得られる可能性がある」との見方を示しています。

ただし、高金利通貨投資にはリスクも伴います。政治的不安定性、インフレ率の変動、格付けの変更などにより、想定外の為替変動が発生する可能性もあるため、十分な情報収集と分散投資が重要です。

効果的な情報収集法

新興国通貨への投資を検討する際は、現地の最新情報を入手することが重要です。野村氏が推奨する方法は以下の通りです:

・現地主要紙のX(旧Twitter)アカウントをフォロー
・各国大統領や政府高官の公式アカウントをチェック
・記事の見出しを自動翻訳機能で確認
・トレーディングエコノミクスなどの経済指標サイトを活用
・ジェトロのビジネス短信で分析を確認

翻訳技術の進歩により、言語の壁が大幅に低くなっています。ただし、一部の国では情報の信頼性に注意を払う必要があります。

2026年の展望

来年2026年は、アメリカの中間選挙が大きな転換点になる可能性があります。

・前半(選挙前)
選挙対策として、トランプ政権が国内経済を重視する政策を展開する可能性があり、一時的にドル高・円安が進む場面も想定されます。

・後半(選挙後)
仮に中間選挙で下院が民主党優位となった場合、再び政治の分断が深まる可能性があります。

・通年の見通し
トータルで見ると、円安基調が継続する可能性が高いと考えられます。ただし、これは現時点での分析であり、国際情勢や経済政策の変更により、見通しが変わる可能性もあります。

●重要な経済指標

野村氏は、為替相場を分析する上で以下の3つの要素が重要だと指摘します:

・貿易収支: 黒字か赤字かがトレンドを決定する主要因
・GPIF・年金基金の動向: 四半期ごとに公表される残高をチェック
・外貨投資の動き: 毎月公表される数字を継続的にモニタリング

これらのデータは全て公開情報であり、継続的にモニタリングすることで、相場の方向性を把握する助けになるでしょう。