この記事は2026年1月6日に配信されたメールマガジン「アンダースロー:高市政権で活気づく日本経済 今年はどうなる?」を一部編集し、転載したものです。
- 株価の上昇基調は続くのでしょうか?
- 強い経済を実現するために必要なのは?
- 「責任ある積極財政」による好循環のシナリオについてはどう考えますか?
- 今後の日銀の利上げについてはどうお考えですか?
- 「実質賃金のプラス定着」についてはどうお考えですか?
- 不足する巨額の財源を国債で賄うことについてはどうお考えですか?
以下は会田がコメンテーターとして出演している文化放送の「おはよう寺ちゃん」の内容の一部をまとめ、加筆・修正したものです。
株価の上昇基調は続くのでしょうか?
問(寺島):去年は日本株の再評価が一段と進みました。最後の取引「大納会」では、日経平均株価の終値は5万339円48銭でした。おととし末の3万9894円54銭に比べて、1万444円94銭、26.2%上昇しています。日経平均株価の年間上昇率は、アメリカのダウ平均株価を3年連続で上回りました。日本経済が再び成長軌道を描くとの期待が海外投資家を中心に高まっています。高市総理が打ち出した「責任ある積極財政」、今年もAI投資の拡大や国内企業の堅調な業績予想を背景に、株価の上昇基調が続くのでしょうか?
答(会田):日本経済の大きさである名目GDPは、長い間拡大できずに、低迷してきました。政府が経済規模を拡大する責務を果たさなかったからです。国民に所得が回らない構造となっていました。株式市場の時価総額は、経済規模に比例して拡大していきます。名目GDPがしっかり拡大しなかったことが、株式市場の低迷につながってきました。しかし、コロナ後の財政拡大によって、名目GDPが大きく拡大しました。更に、高市政権の積極財政によって、名目GDPの3%台の強い成長が続く期待があります。高市政権への国民の高い支持率を背景に、積極財政を推進し、国民に所得が回る構造へ転換できる期待が続けば、株価の上昇基調も続くことになるでしょう。
強い経済を実現するために必要なのは?
問(寺島):高市総理は大納会取引終了後の式典にゲストとして登場して、「日本のために最後まで諦めず、走って走って走って走って走り抜いて勝利を勝ち取ります」と述べています。去年は高市総理を本部長として経済政策の司令塔となる「日本成長戦略本部」の会合が2回開かれました。会田さんも委員として参加されています。「成長投資」に主眼を置いている高市総理ですが、強い経済を実現するためにはどういったことが必要となってくるのでしょうか?
答(会田):日本経済の低迷の原因は、企業と政府の支出する力が弱く、国民に所得がしっかり回らなかったことです。所得の背後には、必ず支出があるからです。高市政権では、官民連携の成長投資を拡大することで、企業と政府の支出する力を強くし、国民に所得が回る構造に転換させます。投資は将来の供給能力、すなわち国力となり、実質所得の増加につながる労働生産性の向上も生み出します。日本成長戦略会議では、戦略分野を明確にして、官民連携の成長投資の拡大の計画を、6月の骨太の方針に向けてまとめます。
「責任ある積極財政」による好循環のシナリオについてはどう考えますか?
問(寺島):「強い経済」を構築するため、「責任ある積極財政」の考え方のもと、戦略的に財政出動を行うと、国民の所得増加→消費増加→企業の収益増加→税収の増加という好循環が生まれるとの考えを高市総理は示しています。このシナリオについてはどうですか?
答(会田):官民連携の成長投資の拡大によって、企業と政府の合わせた支出する力を強くし、国民に所得をしっかり回します。その結果、消費を含めた内需が拡大すれば、企業の収益は増加します。有望な投資機会を求めて、投資資金は日本に流入し、円高トレンドに転換します。企業の投資は、コスト削減から投資に変化し、投資が投資を生む動きが、名目GDPの拡大だけではなく、潜在成長率の上昇につながります。企業の投資が十分に大きくなれば、政府は税収の増加もあり、財政収支を黒字に転換させることができるようになります。リスクなのは、プライマリーバランスの早期の黒字化に拘って、将来の所得と成長を生む成長投資までも税収の範囲内に抑制することで、この好循環を生み出せないこれまでの失敗を繰り返してしまうことです。
今後の日銀の利上げについてはどうお考えですか?
問(寺島):一方、日銀は、先月の金融政策決定会合で政策金利を0.5%から0.75%に引き上げると全員一致で決めました。早ければ「今年7月」に追加利上げするとの見方が多くあがっています。円安や物価高が長引くリスクを念頭に日銀の委員から「来年以降も利上げを継続すべきだ」との意見が相次いだことについてはどう受け止めていますか?
答(会田):官民連携の成長投資を拡大することが目的ですから、中小企業と地方にまで景気回復の果実が届く、十分に景気回復が強い高圧経済を実現する必要があります。拙速な日銀の利上げは、この動きを妨げます。しかし、投資は将来的にはインフレを抑制する供給能力となりますが、短期的には需要であるため、インフレ率が高止まり、家計に負担になる可能性があります。円安がこの家計の負担を大きくしないように、日銀は財務省と連携して、利上げに踏み切ったとみられます。しかし、成長投資を抑制してしまっては本末転倒です。輸入物価の上昇による家計の負担は、財政政策で軽減すべきです。高市政権は、日銀に対して、物価の安定だけではなく、強い経済成長との両立を求めています。日銀はしばらく利上げを封印し、高圧経済の実現に、政府と連携するとみられます。
「実質賃金のプラス定着」についてはどうお考えですか?
問(寺島):国内では物価高が続いているわけですが、生鮮食品を除いた消費者物価上昇率は、22年4月から3年半にわたって政府・日銀が目標とする2%を上回っています。日本最大の労働組合の中央組織「連合」は、今年の春闘について、賃上げ率を全体で5%以上とする目標を掲げています。今年は、賃金の伸びが物価の上昇を上回る「実質賃金のプラス定着」が焦点となります。この辺り、どうご覧になっていますか?
答(会田):コロナ後の財政拡大によって、家計に所得を回したことによって、企業が輸入物価上昇の価格転嫁ができる状況にありました。値上げをしても、購入数量が落ちなかったからです。しかし、家計の貯蓄率はすでに史上最低水準まで低下し、家計に回った資金は、企業と政府に吸収されてしまっています。これからは、企業が大きな値上げをすると、家計に反発で、購入数量が大きく落ちるようになっていくでしょう。理論的には、需要の価格弾力性が大きくなっていることになります。企業が値上げに慎重になることで、物価上昇率が減速し、結果として、実質賃金のプラスが定着していくことになります。重要なのは、この良い動きが生まれるまで、積極財政で家計を支え続けることです。失敗すれば、景気は後退することになります。高市政権では、実質賃金のプラスの定着が遅れれば、物価水準を引き下げることのできる消費税率の引き下げを検討する可能性があるとみられます。
不足する巨額の財源を国債で賄うことについてはどうお考えですか?
問(寺島):政府が閣議決定した2026年度予算案は、「責任ある積極財政」を掲げ、成長投資を重視する高市政権らしさが色濃く反映されました。一般会計総額は2025年度当初予算に比べて、7兆1114億円増の122兆3092億円で、2年連続で過去最大を更新しました。税収も過去最高を見込んでいますが、不足する巨額の財源を国債発行で補う借金頼みの構図は続きます。この点についてはどうご覧になっていますか?
答(会田):2026年度の当初予算だけで判断すれば、プライマリーバランスは黒字化してしまいました。昨年6月の石破政権下の骨太の方針を反映し、積極財政としては物足りない予算となりました。3月にこの予算が国会を通過した後、通常国会の後半で、石破予算を高市予算に変える、経済対策の補正予算が組まれるとみられます。そして、6月には、高市政権下の積極財政を反映する2027年度の予算に向けた骨太の方針をつくります。金利が上昇してきていることを懸念する意見もありますが、名目GDP成長率が3%台となった期待がある中で、超長期金利が3%台、長期金利が2%程度であることは、経済の正常化とともに、金利が正常化していることを反映し、財政不安によって上昇しているわけではありません。逆に、超長期金利が2%台、長期金利が1%程度であれば、マーケットは、日本経済が停滞から脱することができないことを予想していることになってしまいます。
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