この記事は2026年1月7日に配信されたメールマガジン「アンダースロー:Key calls(政策)強い経済成長と物価安定の両立を目指す」を一部編集し、転載したものです。
金融政策:中立金利に向けた本格的な利上げサイクル入りは2026年末以降
2024年・2025年に三度の利上げをしたことで、内需の回復を遅らせてしまった。緊縮の石破政権から高市政権に移行し、政府の高圧経済による構造的デフレ不況脱却と積極財政の方針との連携がより重視される。政府は、日銀に強い経済成長と物価安定の両立を目指す、事実上のデュアル・マンデートを課した。
0.75%までの利上げの後、高市政権の高圧経済の方針の下、利上げは1年間止まる。物価上昇率が減速することで、日銀には利上げ停止の余裕が生まれる。グローバルな循環的景気回復で企業貯蓄率のしっかりとした低下が確認されていく2026年末に、実質賃金の上昇を背景とした内需の回復と、成長の上振れをともなう高圧経済の実現による物価上昇率の持ち直しの見通しの確からしさを確認して、日銀はようやく中立金利にむけた本格的な利上げサイクルに入る。
四半期ごとの0.25%の利上げを続け、2028年までには政策金利は2.25%まで上昇する。物価上昇の拡大に従った利上げとなることで、実質政策金利はゼロ%近傍が維持され、企業の投資拡大による企業貯蓄率のマイナス化を支援。2%の物価目標対比で、実質政策金利が若干のプラスに戻るところが到達点となる。
財政政策:高圧経済の方針の下で積極財政を推進して内需拡大に注力
政府の関与を縮小する自由主義的政策からの転換は継続し、成長を妨げている社会・経済課題を、政府の積極財政と官民連携の成長投資によって解決する新機軸の方針がとられる。緊縮の石破政権から積極財政の推進で高圧経済を実現する高市政権に移行し、トランプ関税への対策のためにも、財政支出の拡大と減税が議論され、景気回復を国民に実感させることで、政権への支持を拡大しようとする。
成長投資まで税収でまかなう必要があるなどの欠陥があるプライマリーバランスの黒字化目標は、6月の骨太の方針で形骸化し、積極財政を推進できる財政目標に転換する。2025年の大規模な経済対策に続き、2026年1月からの通常国会では、2026年度の予算の成立後に、追加の経済対策を実施する。通常国会末に、高市首相は衆院を解散して、政権基盤を強化するだろう。外需依存から脱するため、米国との貿易紛争後の1980年代後半の内需拡大のような展開が経済政策で促進される。デフレ構造不況からの完全脱却によって、2029年に財政収支は赤字を脱する。
図1:日本経済見通し

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