この記事は2026年1月8日に配信されたメールマガジン「アンダースロー:日本経済メインシナリオ 2024-2029年」を一部編集し、転載したものです。
目次
日本経済メインシナリオ 2024-2029年
- 2024年(実績):日銀の拙速な利上げでマイナス成長に
- 2025年:高市政権の誕生で成長期待が高まる
- 2026年:企業貯蓄率の低下と内需の回復
- 2027年:企業の投資と消費の拡大で日銀は本格的な利上げサイクル入り
- 2028年:デフレ構造不況脱却で潜在成長率が上昇
- 2029年:高圧経済の維持と財政収支の黒字化
2024年(実績):日銀の拙速な利上げでマイナス成長に
日銀が拙速なマイナス金利政策の解除と追加利上げを実施して信用サイクルが下押され、グローバルな景気減速もあり、実質GDP成長率はマイナスとなる経済停滞に。輸入物価の上昇の転嫁が進み、物価上昇率の高止まりが、実質賃金の下押しとなり、内需が停滞。
内需は停滞しながらも、名目賃金等の上昇を背景とした日銀の利上げ姿勢継続により、長期金利は上昇。
2025年:高市政権の誕生で成長期待が高まる
グローバルな景気減速とトランプ政権の不確実性の景気下押しが続く。賃金上昇によって、消費は緩やかな回復基調。日銀の利上げが一時休止することで、設備投資のサイクルは堅調に。実質GDP成長率は0.5%程度の潜在成長率を上回る。緊縮的な石破政権の退陣後、高市政権の経済政策の方針は積極財政に変化し、大規模な経済対策を実施。
日銀の利上げ、高市政権の積極財政と成長期待の高まりで長期金利、超長期金利は大きく上昇。株式市場も、緊縮的な石破政権による石破ディスカウントが剥落し、高市政権下での成長期待と円安サポートで上昇が続く。
2026年:企業貯蓄率の低下と内需の回復
高市政権は、積極財政で高圧経済を目指す。追加の経済対策を実施。これまで過度であった物価上昇率は大きく減速し、実質賃金の上昇を背景に、内需が回復する。実質GDP成長率は、トランプ関税とグローバルな景気減速に下押されながらも、2025年からは減速するが、潜在成長率を若干上回る。設備投資サイクルの上振れで、企業貯蓄率の低下がみられる。0.75%までの利上げの後、政権の高圧経済の方針の下、利上げは1年間止まり、利上げの再開は年末。ネットの資金需要が回復し、名目GDP成長率の再加速に向けた動きにつながる。
ネットの資金需要の回復に伴う名目GDP成長率の加速で、リスク資産は堅調な推移が続く。長期、超長期金利は成長期待を先んじて織り込んだことから、スティープニング余地は限定的になる。
2027年:企業の投資と消費の拡大で日銀は本格的な利上げサイクル入り
企業の競争がコスト削減から投資に明確に変化し、設備投資のGDP比率はなかなか到達できなかった18%を明確に上回る。実質賃金の上昇が加速し、消費の拡大につながる。実質GDP成長率は潜在成長率を十分に上回り、景気回復に加速感。物価上昇率は2%の物価目標に向かって拡大を続ける。日銀はようやく中立金利にむけた本格的な利上げサイクルに入る。2026年末と2027年4月の利上げの後、四半期ごとに0.25%の利上げを続ける。物価上昇率と政策金利が同じようなペースで上昇し、実質政策金利はゼロ近傍が維持され、構造的デフレ不況脱却を支援。
マイナスのネットの資金需要と名目GDPの持続的成長でリスク資産の上昇は続き、日経平均株価は5万円台後半が定着。日銀の利上げに伴い長期金利も上昇するものの、利上げの到達点が意識され始めることで長短金利差のスプレッド拡大は止まる。
2028年:デフレ構造不況脱却で潜在成長率が上昇
企業の期待収益率・成長率の上振れで潜在成長率が1%程度に上昇。実質GDP成長率は1%台半ばの水準を維持。企業貯蓄率が正常なマイナスに転じて構造的デフレ圧力を払拭し、物価上昇率も目標の2%に達することで、予想インフレ率もアンカーされ、構造的デフレ不況を完全脱却。政策金利は2.25%まで上昇し、2%の物価目標の達成と合わせて、実質政策金利が若干のプラスに戻るところが到達点となる。
デフレ構造不況の脱却で名目GDPの成長が持続し、日経平均株価は6万円台後半に。金利は、利上げが到達点に達し、GDPの伸び率がやや落ち着くことでイールドカーブややフラット化。
2029年:高圧経済の維持と財政収支の黒字化
日銀が若干の実質政策金利のプラスの水準で利上げを止めることで、景気がやや過熱気味の高圧経済となる。プラスの実質政策金利と円高は景気を下押すが、高圧経済が支えとなり、実質GDP成長率は引き続き1%を上回る。経済規模の持続的拡大の予見可能性による企業の投資の拡大で、企業貯蓄率のマイナス幅が拡大する中、名目GDPの拡大によって税収が増加し、財政収支は赤字を脱する。
実質の成長率は鈍化しながらも、ネットの資金需要の安定的な推移と名目GDPの拡大でリスク資産やインフレ期待の底割れは回避され、イールドカーブの緩やかなフラットニングに留まる。
日本経済見通し
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