賃貸アパート大手のレオパレス21が株式市場から「退室」する。2018年に発覚した施工不良問題で経営の屋台骨が大きく揺らいだ同社。米投資ファンドの支援で再建を進めてきたが、今回、通信事業などを手がける光通信を中心とする3社連合の買収・非公開化を受け入れ、成長軌道への復帰を目指す。
光通信、MBKパートナーズなどと共同買収
光通信は9月14日、レオパレス21に対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。レオパレスが賛同する友好的TOBだ。
レオパレス株の買付価格は1株1000円で、同日の株価691円に44.7%のプレミアム(上乗せ)を加えた水準。翌15日の買付初日の株価は100円上昇し、ストップ高の791円で取引を終えた。買付期間は10月30日まで。
光通信は現在、レオパレス株の18.11%を保有する筆頭株主。残る株式をTOBを通じて取得する。取得総額は2676億円。
TOB成立後、所定の手続きを経て、レオパレスは2027年春にも東証プライム市場への上場が廃止となる。
光通信が連携する2社はアジア系投資ファンドのMBKパートナーズ、SBI新生銀行系の金融サービス会社であるNECキャピタルソリューション。買収後のレオパレスの持ち株会社に光通信が34%、MBKパートナーズ、NECキャピタルソリューションが各33%を出資する。
レオパレスは約54万戸の管理物件を持ち、その約3分の2は法人による社宅利用が占める。光通信グループが取り扱う電気、ガス、インターネット契約、決済代行、保険・保証といった各種サービスを導入する一方、光通信の顧客基盤を取り込んで新たな入居者の獲得につなげるなどの相乗効果を見込む。
施工不良問題で経営が暗転
レオパレスで思い出されるのは2018年、自社が手がけた賃貸アパートでの建築基準法違反の発覚だ。
施工不良問題の広がりが経営の屋台骨を揺るがせる事態に発展し、2019年3月期決算は補修工事関連の特別損失や問題発覚による空室の増加などから686億円の最終赤字に転落した。創業家出身の深山英世社長が引責辞任に追い込まれた。
2020年にはホテル・リゾート事業、国際事業など非中核・不採算部門からの撤退を発表し、1000人規模の希望退職者募集も実施。巨額最終赤字は21年3月期まで3年連続し、同期末には85億円の債務超過(債務超過は翌期に解消)に陥った。
◎レオパレス21を取り巻く状況
| 2018年 | 施工不良問題が発覚 |
| 2019年 | 補修工事関連の特別損失が膨らみ、最終赤字(686億円)に転落 |
| 2020年 | ホテル・リゾート、国際事業からの撤退などを柱とする構造改革を発表 |
| 〃 | 1000人規模の希望退職者募集を実施 |
| 〃 | 米フォートレス・インベストメント・グループが572億円の金融支援 |
| 2022年 | 3年ぶりに営業黒字、4年ぶりに最終黒字を達成 |
| 2025年 | 9月、米フォートレスに代わって、光通信が筆頭株主に |