製薬大手の大正製薬ホールディングス(HD) <4581> 、エーザイ <4523> 、第一三共 <4568> が決算を発表し、各社で明暗の分かれる結果となった。大正製薬HDとエーザイが大幅な売上減という厳しい決算となった一方で、第一三共は海外での販売が好調だったことから、売上を伸ばした。
大正製薬HDの15年3月期第3四半期の売上高は前年同期比2.7%減の2217億円。営業利益は同31.9%減の248億円で大幅減となった。経常利益は308億円と29.5%の大幅な減少となった。純利益も196億円と29.5%減と、3割減に迫る勢いだ。
「消費増税に際する駆け込み需要の反動で売り上げが伸び悩んだ上に、夏場に悪天候が続き、ドリンク剤の売上が低調に推移したことも影響した」と同社は減益の理由を分析している。
また、エーザイの第3四半期の売上は前年同期比8.2%減の4084億円。営業利益は同47.2%減の238億円と、約半分に落ち込んだ。利益は31.7%増の368億円。積極的な投資を行い、抗癌剤や肥満治療薬の拡大を行ったが、米国で独占販売を行っていた阻害剤の販売期間が満了した影響もあり、減益となった。
一方、第一三共の売上は前年同期比4.1%増の8381億円、営業利益は同4.7%増の1102億円と増収。第3四半期の利益は994億円となり、48.5%の大幅に増加。日本では薬価改定や消費税率の改定の影響があったものの、主力商品が伸長したことで、増益につながった。ほかにも、アジアや中南米地域における伸長、さらに為替の影響も増収に寄与したとみられている。
国際競争の激化やジェネリック薬品の普及にあわせて、市場環境が厳しくなる中、各製薬メーカーがどのように舵取りをするのか引き続き注視する必要がありそうだ。
(ZUU online)