3月6日週末の取引を終え、日経平均株価は7週連続の上昇となった。週明けの9日終値は前週末比180円45銭(0.95%)安の1万8790円55銭となったものの、「押し目待ちに押し目無し」今の日経平均株価はそんな相場格言がピタリとあてはまるほど順調に上昇を続けている。2月中旬に相場の重しとなっていた1万8000円を上抜けてからは、株高がマスコミでも大きく取り上げられ、相場関係者からも強気の発言が聞かれるようになっている。もはや2万円も射程に入ったかのような状況だが、日本株の上昇ムードに死角は無いのだろうか。
誰が日本株を買っているのか
毎週第4営業日、東京証券取引所は投資部門別売買状況を発表している。個人、外国人、金融機関、事業法人など、投資家別に売買の状況を集計した統計であり、それぞれが1週間のうちに日本株をどれだけ買い越したのか、もしくは売り越したのかが分かる。2月第4週までのデータが公表されているが、株の買い手として圧倒的な存在感を見せているのが、外国人と信託銀行だ。それに対し個人は真逆の行動を取っている。個人は1月第3週以降、6週連続で売り越しているのだ。
やはり、外国人が買っていた。そして、巨額の公的マネーだ。日本銀行や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の売買注文は信託銀行経由で行われている。これが、信託銀行の買い越し額に反映されているのだ。外国人投資家や日本銀行、GPIFが積極的に高値を買い指数を押し上げているのが今のマーケットだ。
シラケムードが漂う株価上昇
前述のとおり、日本株が上昇しているのは事実だ。これだけ株価が上昇しているのだから、多くの個人投資家が潤っていると想像するのだが、意外にも個人投資家の間に熱狂も、高揚感も無い。むしろ白けムードが漂っている。多くの投資家は現在の株価上昇に違和感を感じている。
マスコミが株価の上昇を伝え、証券会社が強気の未来を語るほどに、個人投資家の多くは不信感を募らせている。日経平均株価に寄与度の高い大型株ばかりが不自然に上昇し、個人投資家が保有する中小型株は蚊帳の外だ。「日経平均が上がっているけれども、自分の持株はあがらない。」多くの投資家は自嘲気味にそう不満をもらしている。