J-REIT
(写真=Thinkstock/Getty Images)

2015年に入ってからのJ-REIT(不動産投資信託)市場は、活況を呈している株式市場とは対照的に、指数はほぼ横ばい、相対的には低迷といっていい状態が続いている。

4月末時点の日経平均株価が昨年末対比で11.9%増、TOPIXが同じく13.2%増であるのに対して東証REIT指数は1.14%のマイナスとなっている。


需給・ファンダメンタルズともに相場には向かい風

相場低迷の要因として挙げられるのが、需給面でのネガティブなインパクトだ。昨年末および今年に入ってからヘルスケアのような新しい分野での新規銘柄が相次いで上場したことや、多くの銘柄で比較的大型の公募増資が行われた。

その中でも3法人(いちご不動産 <8975> 、積水ハウス・リート <3309> 、大和証券オフィス <8976> )が直近で200億円超の大型増資を行い、オフィスビルを取得して資産規模を拡大することを発表している。

しかしながら、これらの要因よりも金融政策の方向性や市況に直接的に影響を及ぼすファンダメンタルズ面が大きいといえる。より本質的かつ市場に対してシビアな理由は、投資家マインドの冷え込みがより悪影響を及ぼしていると考えられる。

増資を行った投資法人サイドでも、そのような懸念があるからこそ調達を急いだフシも否めない。特にレジデンス系REITにおいてはオフィスビルと比較して、築年数の経過に伴う競争力の低下が顕著であるため、外部環境や賃料・空室率の悪化といった将来的な収益低下の可能性を懸念して、早期にポートフォリオの入替えを目的とした増資によるオフィスビルの取得を実施するということは十分に考えられる。


マーケットは追加金融緩和を待ち望んでいるが

アベノミクス以降のREIT指数上昇率を株式市場と対比してみよう。2012年末対比でみると今年に入ってからのアンダーパフォーム分を除けばREITのパフォーマンスは充分に株式市場に追随している。

この間、株式市場においては、株価収益率(PER)はほぼ変わらず(約18倍)であるため、企業業績が順調に伸び、素直に株価に反映されたものと考えることができる。一方、三鬼商事の調べによると、不動産の賃料は同期間で2%の上昇にとどまっている。

昨年の10月末に日銀がサプライズ的に行った追加の金融緩和策を受け、長期国債利回り低下に歩調を合わせつつ、株価に先んじて上昇を見せたREIT相場であるが、それ以降追加緩和は見送られ続け、長期債利回りの上昇とともに市況はこう着状態に陥っている。

また、日銀は、4月末の金融政策決定会合後に合わせて発表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」において、物価上昇率が目標の2%に達する時期が「2016年度前半頃にずれ込む」見通しであることを示した。

しかし、日銀は見通しを下方修正しつつもインフレ目標をかたくなに維持し、なおかつ追加策を即座には打たないという姿勢を貫いていることから、REIT投資家にとっては引き続き環境は好ましくないと言わざるを得ない。