財政収支の安定する水準は黒字ではなく、若干の赤字

管理通貨制は、政府の債務が増えないと原則として通貨供給を拡大できない仕組み(日銀は国債を裏付けとして通貨を供給する)であり、財政収支の安定する水準は黒字ではなく、若干の赤字である。

国際経常収支の赤字の問題、超過需要によるインフレの問題、不安定な為替の問題に対処するため、財政収支を黒字にして景気を引き締めることはある。

「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」という財務省の主張(格付け会社に対する意見書)は正しいが、国債発行をともなう過度の財政支出が、大きなインフレなどの問題につながることは考えられるからだ。