さまざまな誤解が財政議論を捻じ曲げてしまっているようだ。よく聞く誤解がある主張に対して、回答を用意してみた。


【よくある主張】

「財政収支は黒字にして債務を返済しなければいけない!」


【回答】

グローバル・スタンダードでは、政府の債務は完全に返済することになっていないことはほとんど知られていない。その理由は、政府の負債の反対側には、同額の民間の資産が発生しているからだ。

通常は政府の債務は永久に借り換えされていくことになる。政府の債務が完全に返済することがないのであれば、財政収支を黒字化させる意味はない。国債を完全に償還するためだけに増税するのは、国債を資産として持つ国民から徴収した税をまた国民に償還費として返すことになる。

そのように国債を完全に償還するということは国の負債が減るとともに民間の資産も減るので経済的な意味はあまりない。

金本位制ではなく、管理通貨制を採用しているのは、貨幣の発行をフレキシブルにして、経済活動の拡大より若干多い通貨供給の拡大を維持したほうが、若干の物価上昇は恒常化するが、経済活動の持続的な拡大にはよいからだ。

流動性のために通貨を保持しておくという予備的貯蓄が経済活動を阻害しないようにするのと、インフレが債務の実質負担を軽減するため、イノベーションや生産性の向上につながる企業のリスクテイクが容易になるからだ。