大企業での葛藤からハンゲームへ
ソニーに入社してからは、テレビやオーディオ等のハードウェアを扱う部署に入り、テレビのネットワーク化の事業等を進めていきました。しかし、大企業かつ電機メーカーという背景もあり、トップで進めようとしている「デジタルネットワークでグローバルを繋ぐ」という思想と現場には乖離もありました。ちょうど、テレビの売れ行きが良かったこともあり、現場ではネットに繋ぐことに対してあまり前向きではなかったんです。中々思いを実現できず、葛藤する日々を過ごしました。
そこで、途中からは、新しくブロードバンドの事業を立ち上げるために、他社とのジョイントベンチャーの設立を行い、ゼロから組織と事業を立ち上げを任せてもらいました。ベンチャー組織をまとめてマネジメントすることは初めての経験だったので、自信につながりましたね。
それでも、転職から3年程経つと、大企業で新しい事業を進めることの難しさも痛感していました。「3年後なら実現できる」という話をされることもあったのですが、それでは流れが変わってしまうという危機感があったんです。既存の主力事業があるために、他の新しいことに取り組みにくいという葛藤もありました。
そこで、もう一度、グローバルに展開できるデジタル領域の環境で働きたいと考えていると、ブロードバンドの事業を通じて、韓国が同分野の先進国であることに気づいたんです。また、グローバル展開は説明が不要で熱狂を生むような分野から広まるような感覚もあったため、韓国に拠点を置きオンラインゲームを運営するハンゲームジャパンに転職することに決めたんです。36歳のことでした。