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(写真=PIXTA)


主力の建材関連事業を中心に6期連続増収・営業増益へ:アドヴァン <7463>

総合建材のファブレスメーカーのアドヴァン <7463> がしっかりと業績を伸ばしている。

2015年3月期(連結)も仕入価格の高騰や販売競争の激化など厳しい経営環境だったが、景気回復を背景に物流業務のシステム化など経営合理化を徹底した効果などから、売上高174億5000万円(前期比6・4%増)と増収を達成した。

売上総利益率49・2%と前期(49・5%)並みの高水準を確保した一方、広告宣伝費1億9400万円を削減するなど前年同期比1億8900万円の販管費を削減したことなどから、営業利益は46億9100万円(同16・7%増)と増加した。

さらに、力を入れているソーラー発電による収入1億1000万円や、将来のリスクに備えるための為替予約に起因するデリバティブ評価益8億3200万円など営業外収益の計上により経常利益56億5900万円(同40・0%増)、純利益33億7000万円(同33・4%増)とともに大幅増益となった。

ちなみに、この増収益は5期連続増収・営業増益でいずれも過去最高を更新、経常利益と純利益は2期ぶりの過去最高益更新になる。

事業別売上高で見ると、物流管理業等のその他事業が9億2400万円(前期比14・9%減)と減収となったが、不動産賃貸事業が2100万円(同18・2%増)と伸長。主力の建材関連事業も一般建築関連が115億6400万円(同9・9%増)、住宅関連が49億5700万円(同3・8%増)とそれぞれ増収となったことから、165億2200万円(前期比8・1%増)と伸びて収益大幅増につながった。

続く2016年3月期は売上高192億円(前期比10・0%増)、営業利益47億円(同0・2%増)と売上高と営業利益は6期連続で過去最高を更新する見通しだ。

景気や企業業績・民間設備投資の一段の回復期待を背景に、グループ挙げての積極的な営業や経営効率化の推進、倉庫やソーラー発電増強など業績拡大の源泉の一要因となっている設備増強等に積極的に取り組んで躍進を図っていく方針だが、ただ、経常利益は42億5000万円(同24・9%減)、純利益は25億5000万円(同24・3%減)と減益となる見込みだ。

といっても、これはデリバティブ評価益の洗替処理により一部評価損益が損益計算書への計上から貸借対照表の純資産への直接計上へ変更となるためで、営業増益からもわかるように、本業は順調に推移する見通しで心配ないものだ。配当は年間36円を継続する意向。

株価は上昇基調を維持しているが、高値波乱の様相も。前期の最高収益更新が今期減益予想では仕方がないところだが、本業は伸びていること、今期予想1株当たり利益は127・8円でPERは12倍前後と1部平均の18倍前後とは大きな差がある上、自己資本比率75・7%と高く磐石な財務体質を考えれば押し目は安心買いできるといえよう。

アドヴァン