C&I 文書
(写真=黒田電気HPより)

黒田電気 <7517> の株式取得で再び注目されている村上ファンド。経済産業省出身の村上世彰氏が設立したM&Aコンサルティングと同社が運用するファンドの総称のことだ。

8月末には黒田電気宛に「黒田電気経営幹部の関与する不正について」という文書を送付。黒田電気は2日付けで回答をしたほか、10日には社外調査委員会を設置し、約2カ月にわたって調査すると発表した。

「もの言う株主」と評され、経営陣に対し、株主利益の極大化をストレートに求めることで注目されていた村上ファンドは、2006年ごろ、ライブドアによるニッポン放送買収や阪神電鉄株の取得などで有名になったが、村上氏が証券取引法違反(インサイダー取引規制違反)の疑いで逮捕されたことを契機に姿を消していた。


日本振興銀行との関係

相当な財産を築きシンガポールに拠点を移していた村上氏だったが、昨年秋頃から再び日本の証券市場で活動し始めた。

“新生村上ファンド”は、村上氏の娘である野村絢氏(村上姓を名乗っている)が社長を務めるC&I Holdingsを中心とする複数の企業で構成されている。絢氏は慶應義塾大学卒業後、モルガン・スタンレーMUFG証券を経てC&Iグループに入り今年6月、社長に就任している。

C&I ホールディング社は、2010年9月に破綻した日本振興銀行が中心となって組織化した中小企業振興ネットワークの一員だったベンチャー・リンクが商号変更した会社だが、2012年3月に民事再生法の適用を受けている。

村上氏が新しい会社を新設せず、敢えて同社を買収した背景には、日本振興銀行の木村剛元会長との密接な関係が背景にあると推測されている。前出のネットワークに参加していた企業は多数あるが、その中でも同社を選んだのは、巨額の赤字を活用して節税するためと考えられる。