大きな盛り上がりを見せる「FinTech」。旅行や出張や留学などで外国との間を行き来することが増えていることもあって、海外への送金サービスも大きく注目されているジャンルだ。欧米のFinTech系スタートアップ企業が提供するサービスを中心に紹介する。

SaaS型モデルの国際間決済エンジン「Currency Cloud」

2012年英国で投資銀行出身のナイジェル・ヴァードン氏が創設したFintech系スタートアップ企業Currency Cloud(カレンシークラウド)が提供する、クラウド型SaaS(Software as a Service)モデルによる国際送金サービス。

国際決済専用エンジンの「Payment Engine」と開発者向けアプリケーションプログラミングインタフェース(API)によるB2B(Business-to-Business)事業を柱としている。

現在、後述のTransferWiseやWorldRemitを始めとする国際送金サービスプロバイダー向けにも「Payment Engine」を供給しており、日本の楽天グループからの出資も受けている。

P2P型の国際間送金サービス「TransferWise」

2011年英国でエストニア出身のターベト・ヒンリンカス氏とクリスト・カールマン氏が共同創設した企業TransferWise(トランスファーワイズ)が提供する、ピアツーピア(P2P)型モデルの国際送金サービスだ。Currency Cloudのエンジンを利用している。

たとえば、A国からB国に送金したいユーザーと、B国からA国に送金したいユーザーとの間で、TransferWiseがP2Pによるマッチングを行い、公定為替レート(中値)による送金を可能にしている。

海外送金に要する手数料や公定為替レートなど、手数料の明細を提示するサービスも定評がある。