Growth Development Success Startegy Concept
(写真=PIXTA)

テクノロジー、メディア、テレコミュニケーション分野の企業を対象とする「売上高成長率ランキング上位50社」が発表され、 スマートフォンサービスやソーシャルアプリの企画開発を行うアカツキが1位に選ばれた。過去4決算期の売上成長率は2106%を記録、昨年の3位からトップに躍り出た。

2年連続で2位となった住まい・自動車領域のメディアプラットフォーム事業アイアンドシー・クルーズは1399%、第3位にはシリコンウエハの再生精密加工などを行う(株)RS Technologiesが初のランクイン、成長率は1300%だった。

ランキングは 世界4大監査法人の一員である監査法人トーマツが毎年実施する「デロイト トウシュ トーマツ リミテッド 日本テクノロジー Fast50」の調査結果で、今年が13回目になる。


調査6回でランクイン4回の企業も

4年間の増収率が1000%、年率換算82%を超えたのは、ゲームアプリ開発等を行うバンク・オブ・イノベーションを含め4社。首位のアカツキは年率2.2倍と、まさに倍々ゲームの驚異的な成長だ。全50社の平均成長率は年率46%。ベンチャーが育たないといわれる日本の企業風土で心強い企業群である。

この50社の事業領域別構成比は、メディア42%、ソフトウェア40%、通信12%などとなっているが、それぞれに分類される個別企業の事業内容を見ると、スマートフォン・タブレットPC関連が圧倒的に多いことが分かる。スマホ画面の大型化やタブレットの普及で、これらに向けた独自色の強いアプリ開発、モバイルコマース、広告関連事業が大きく伸びていこの傾向は当面続きそうだ。

というのも、モバイル端末のハードウェアの成長には陰りが出ているが、金融関連アプリなどのFinTechの普及や、ヘルスケア関連アプリの浸透、IoTやビッグデータの活用はこれから本番を迎えるからである。

これだけの高成長を何年間も維持するのは至難の業だが、この調査で6回以上ランクインしている強者が4社ある。今回最多の8回目となったのはブレインバッドで2008年から連続ランクインの偉業を成し遂げた。同社はデータマイニング・分析技術を中核にビッグデータにも対応するソリューションを提供している。

インターネット広告の草分け的存在の(株)アドウェイズは今年で6回目。2006年の第4回調査で初めてランクイン、昨年からスマホ広告の好調で返り咲いている。このほか、ゲームアプリのデバッグなどを手掛けるハーツユナイテッドグループは7回目、オンラインRPGアプリに強みを持つエイチームは6回目のランク入りを果たした。

今回初めて登場したのは、上述3位のRS Technologies、アプリ導入広告などで 9位に入ったGMO TECH(株)、11位のインターネット広告のアイモバイルなど19社だった。

出身地域別では相変わらず東京が大多数を占めるが、今回は昨年ゼロだった九州から3社がランクインした。日本の半導体産業が衰退するなか、かつてのシリコンアイランドに新たな成長の息吹が感じられる。

今回のトップ50社のうち未上場企業は18社だった。

1位のアカツキほか注目の企業をいくつか紹介しよう。