(写真=HPより)
事業縮小が相次ぐ大手銀行を尻目に、他行にない独自な取り組みで注目の的となっているのは、5年前にロンドンでオープンしたばかりの「メトロ銀行」だ。
2020年までに200店舗オープンを目指す野心的な設立者ヴァーノン・ヒル氏は「店舗に一歩足を踏み入れれば、ショッピングを楽しんでいるみたいにテンションがあがる、フレンドリーで愉快な銀行にしたい」と、まるで小売店やエンターテイメント施設のオーナーのような信条を掲げており、「まさにそれこそがメトロ銀行が目指すところ」だという。
最高のロケーションで最高の支店を
英国では150年ぶりの新銀行の誕生とあって一躍世間の注目を浴び、現在国内に38店舗、20万人以上の顧客を持つまでに成長した。しかし銀行といえども競争社会の今、「ほかとは違う何か」を消費者に理解してもらえなければ生き残れない。幸運なことにメトロ銀行には、設立者ヴァーノン・ヒル氏という「その道のプロ」がついているのだ。
最初に就いた仕事が米国でのマクドナルドの店舗開発というまったく畑違いの出身にも関わらず、その経験を活かして1973年に設立した米コマースバンクを、25年間で500店舗の大銀行に育てあげたヒル氏。
「(銀行の)ロケーションとルックスほど重要なものはない」と断言する様は、現在の地位を自らの手で切り開いてきた成功者としての自信に満ちあふれている。「我々はさしずめ銀行業務を手がけることになった小売店といったところだ。だから最高のロケーションで最高の支店を所有する必要がある」