計算は25%、直感が75%

コマースバンク時代同様、メトロ銀行もヒル氏の承認なしでは開設できない仕組みになっており、開発チームが絞り込んだ候補地に自ら出向いてチェックするという。そうして自らの目で確かめた候補地の4割を検討し、最終的に2割にGoサインを出す。「我々は支店の見た目になると狂ったようにこだわりぬく。だから大抵は1階と2階を借り切って、縦の空間に広さを持たせるために天井を吹き抜けにブチぬいてしまうのだ」

ロケーションの決め手は「頭の中で25%計算するが、後は直感に頼るのみだ」と、これも世界中に名をはせた大実業家だからこそ、一層説得力が増す言葉なのかも知れない。


口座開設以外は何でもOKのドライブスルー・バンク

こうしたこだわりは支店を単なる「ビジネスの場」ではなく、ブランドの象徴だと考えるヒル氏ならではだろう。「まるでApple並みのこだわりだ」と形容する声もあるが、Appleと比較されるのはサービスの充実度も含めてのことだ。

メトロ銀行は土日祝日も営業(カスタマーセンターは24時間オープン)、口座開設は10分以内に完了、「マジック・キャッシュ・マシーン」と命名された無料の小銭両替機、貸金庫へのアクセス時間は営業時間内なら1日何度でもOK、さらにはペット同伴の客をペットビスケットや水で出迎えるという大サービスぶりだ。

「既存の英銀行とは一味も二味も違うサービスと経験を提供するのがメトロ銀行だ」というヒル氏の言葉通り、英国初のドライブスルー・バンクをロンドン西部のスラウに、先日は第2号店を同じくロンドン西部のサウソールにオープンさせた。ドライブスルー・サービスでは口座の開設以外、通常の支店と同様のサービスを提供している。

今後はロンドンを中心に1カ月に1店舗オープンを目標にしているというが、英国中、そして世界中が“銀行版Appleストア”であふれかえる日が待ち遠しいところだ。 (ZUU online 編集部)

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