ビットコインの採掘難易度が10%に達しており、今後さらに上昇すると予測されている。 ユーザー利益をもたらすはずの次世代採掘機の存在が、こうした変化を引き起こしているようだ。リアルタイム・チャート「ビットコイン・ウィズダム」によると、11月に入ってから採掘の難易度が高まっており、5日に10.05 %増を記録した後、24日に10.44%まで上昇。今後2週間以内に再び10.25%に達すると予想されている。同様に8月にも2日間、難易度が2桁に達した。

ユーザーには都度25BTC支払われる

「ビットコインの採掘」とは、複雑な数式から構成されるデータ(ブロック)を見つけ出す作業を指し、取引手数料同様、ユーザー(採掘者)の重要な利益源となっている。

ブロックは10分に1つの割合で増加するように計算されており、ユーザーが発見するごとに25BTCが支払われる。

ブロックチェーンの生成を安定させる目的で、2016ブロック発見されるごとにネットワークの難易度を更新するように設定されているというが、ここ数カ月の不安定な難易度の上昇は、ほかにも原因があるようだ。

次世代ラッシュが引き起こす「ユーザー離れ」

主な原因として挙げられているのは、大手発掘機メーカーによる次世代ビットコイン・マイニングASICの発売だ。

8月にビットメイン(Bitmain)が「Antminer」シリーズの最新版となるS7のリリースを発表し、「BM1385チップ搭載でわずか0.25 J/GH の消費電力にも関わらず、4850 GHというパワフルさ」という全ぼうを明らかにした。

これに続き、10月には中国のBWが14NMクリップ搭載の専用ASICを、そしてビットバンク(Bitbank)が1秒間に48ペタハッシュの計算処理が可能なサーバーを開発していることが公表されている。

ASICの先駆けアバロン(Avalon)も負けじとA3218チップを搭載した「Avalon6」を開発−と、まさに次世代ビットコイン到来といった感が強いが、こうした次世代ラッシュが利点と欠点を兼ね備えているのは明白だ。

ビットコインが値上がりするにつれ、発掘から利益を得られるユーザー数も増加し、より多くの「採掘者」の参加が期待できる。ネットワークを確立するという意味では大きな恩恵となるが、その反面、発掘作業の競争が激化し難易度が上がるというわけだ。

発掘が困難になればなる程、ユーザー離れが懸念される。ビットコインは当初から発行上限が2100万と定められている。発掘ネットワークの繁栄は、今後このような課題にビットコイン業界がどう対応するかにかかっていると思われる。(ZUU online 編集部)