本記事は、山根 洋士氏の著書『聴く技術 あなたの会話が今日から変わる』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。
カウンセラーにはどれだけ聴いても疲れない技術がある
しっかり聴けば聴くほど疲れる
カウンセラーが持っている「聴く技術」の中には、どれだけ聴いても疲れない技術があります。
相手の話を受け入れ、相手の話に共感し、自己一致を促すという丁寧な聴き方をすると、とにかく疲れます。カウンセラーが時間を区切って相談者の話を聴くのは、どんな内容の話であっても、いつまでもずっと聴き続けることができないからです。
そもそも、上司や先生、先輩などの聴きたくない話を長々と聴かされているときは、丁寧な聴き方をしなくても疲れます。お人よしで真面目な人ほどダメージは大きいでしょう。ここで紹介する聴き疲れしない方法とは、そうした聴きたくない話を聴くときにも活用できる技術になります。
聴ける人は、実は聴いていない
上手に聴けるようになると疲れない
カウンセラーは、時間を区切っているとはいえ、1日中、相談者の話を聴くのが仕事です。それでも疲れないのは、疲れないように聴いているからです。
疲れないように聴く。
なかなかイメージできないですよね。
カウンセラーの仕事を始めたばかりの頃の私にも、「疲れないように聴く」ということはイメージできていませんでした。
先生タイプのカウンセラーだった私は、相手の話を1から100まで聴いて、的確なアドバイスをするのが仕事だと思っていたからです。そのため、相談者の話を聴けば聴くほど疲労が蓄積されていくことになりました。
ところが、上手に聴けるようになると疲れなくなったのです。
相談者の目の前に座り、相手の話に合わせて相づちを打ち、気になったところを質問する。そうしていると、相手が自分で何かに気づいて帰っていく。
手を抜いているわけではなく、それが上手に聴くということだったのです。
頑張って聴かなくていい
どうして疲れなくなったのか?
それは、相談者の話を1から100まで聴かなくなったからです。話の3分の1くらいしか聴いていないかもしれません。それでも相談者からクレームが届くことはありません。
上手に聴く技術は、「いかに聴かずに相手を満足させるか」という技術でもあるのです。もちろん、3分の1くらいしか聴かなくても、相手を受け入れ、相手に共感し、相手に自己一致を促し、相手の自己解決のお手伝いができています。
それが、上手に聴くということでもあるのです。
あなたは、自分の話を録音して聴いたことがありますか?
聴いてみると、1から100まで聴く必要がないことがわかります。前振りがあったり、横道にそれたりしながらの話をよくよく聴いていると、「言いたいことはこれだけだったの?」と愕然とするくらい簡単だったりします。
その言いたいことを聴き逃さないのが上手な聴き手なのです。
疲れるのは、1から100まで聴かなければいけないと考えるからです。
お人よしや真面目な人ほどそうかもしれません。大事なところだけを聴けるようになると、どれだけ話を聴いていても疲れることはありません。
上手な聴き手ほど、実は頑張って聴いていないのです
実践中心のカウンセリングで一線を画し、これまでに8,000人以上の悩みを解決。心理学だけでなく、数多くの経営者やスポーツ選手などへの取材経験、AIやロボット工学、脳科学などを取り入れたメンタルノイズメソッドを開発。カウンセラー養成講座のほか、お金の心理学、自己肯定感、願望実現などの講座を主宰し、延べ受講生は2,000名を超える。
著書『「自己肯定感低めの人」のための本』(アスコム)がメンタル本大賞2021優秀賞を受賞。そのほか著書多数。
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