本記事は、山根 洋士氏の著書『聴く技術 あなたの会話が今日から変わる』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。
聴くだけで感謝される
聴く技術は人を前向きにする
聴く技術を身につけて「何でも話してもらえる人」になると、あなたも、あなたの周りにいる人たちも幸せになります。
上手に聴けるようになると、効果的なアドバイスや気の利いた一言もなく、ただ聴いただけなのに相手から感謝されることが増えます。
「モヤモヤしてたけど、話せてすっきりしました」
「どうすればいいか、何か見えてきたような気がします」
「ありがとうございました。明日から頑張れそうです」……
こちらとしては、話を聴いただけなのに、相手が喜んで帰るのを見ると、いいことをしたような気分になります。その場で相手の何がどう変わったのかわからないことも多いのですが、聴けるようになったことを実感できる瞬間です。
上手に聴いてあげると相手が変わることもある
聴き方ひとつで相手が変わる
今でこそ人の相談に耳を傾ける仕事をしている私ですが、もともとは人の相談に乗るのが嫌いでした。というのは、人の話をじっくり聴くのが苦手だったからです。
若い頃の私は、相手の話を聴いていても、「こうしたほうがいいんじゃないのかな」と思うと、話をさえぎってアドバイスを始める、まさに先生のようなタイプ。
それでも、相手が自分のアドバイス通りに実行してくれるといいのですが、いつもそうするとは限りません。相手も自分なりに考えているので、私のアドバイスが意に添わなければ実行しません。
「だったら相談するなよ。時間の無駄じゃないか……」
自分がアドバイスしたところで、やるかやらないかは相手次第。相談なんかに乗っても、相手が変わることなどないと思っていた時期がありました。
ところが、カウンセリングのスキルを身につけてコミュニケーションのスタンスが変わると、相手が変わることがわかってきました。もちろん、私が相手を変えるわけではなく、相手が自分から変わっていくのです。
人は変わるものだったのです。
あなたの話を聴かせてください
例えば、「イライラする」と相談されたとします。
昔の私の質問は、「なんでイライラしたの?」
今の私の質問は、「何にイライラしたの?」
どこが違うかというと、昔の質問は、イライラの原因を突き止めて、「どうしたらイライラしなくなるだろうか」「こうしたらイライラしないのでは」と、相手のイライラを解決するためのアドバイスを私が考えるためのものです。
今は、「イライラした話を私に聴かせて」という質問です。
「私が解決してあげます」から「あなたの話を聴かせてください」とスタンスが変わるだけで、相手は自分のことを話しやすくなります。相手が解決策を求めてこない限り、それでいいのです。
話を聴いているうちに、相手は自分なりに解決の糸口に気づくようになります。それでも見つからないときはアドバイスを求めることもあるでしょう。そのときは相手も自分のことが整理できているため、ポイントを絞ったアドバイスができます。
解決策のほとんどは、相手の中にあるものなのです。
実践中心のカウンセリングで一線を画し、これまでに8,000人以上の悩みを解決。心理学だけでなく、数多くの経営者やスポーツ選手などへの取材経験、AIやロボット工学、脳科学などを取り入れたメンタルノイズメソッドを開発。カウンセラー養成講座のほか、お金の心理学、自己肯定感、願望実現などの講座を主宰し、延べ受講生は2,000名を超える。
著書『「自己肯定感低めの人」のための本』(アスコム)がメンタル本大賞2021優秀賞を受賞。そのほか著書多数。
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