本記事は、山根 洋士氏の著書『聴く技術 あなたの会話が今日から変わる』(アスコム)の中から一部を抜粋・編集しています。

聴く技術 あなたの会話が今日から変わる
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真面目な人ほど聴けているようで聴けていない

会話を邪魔するメンタルノイズ

聴けない人の特徴として、紹介したいのが「真面目な人」。
真面目な人は、相手の話を真剣に受け止めようとするあまり、逆に聴けない自分をつくりがちなところがあります。原因は、「メンタルノイズ」。
メンタルノイズとは、簡単に説明すると、あなたの言葉や行動に無意識に影響を与える心のクセです(拙著『「自己肯定感低めの人」のための本』で詳しく紹介しています)。メンタルノイズにはいろいろな種類がありますが、真面目な人には、コミュニケーションを妨げるノイズを持っている方が多いのです。
代表的なメンタルノイズは5つ。

① 完璧主義ノイズ
② タイムイズマネーノイズ
③ おもてなしノイズ
④ ドMノイズ
⑤ ちゃんとしなきゃノイズ


それぞれのノイズが会話にどんな影響を与えるか紹介すると、どんな些細なことにも完璧を求めるところがある「完璧主義ノイズ」があると、たわいない会話でも堅苦しくなりがち。相手もかまえてしまって、言葉を発することに慎重になってしまいます。
自分を急かすところがある「タイムイズマネーノイズ」があると、会話も急ぎがち。急かされた相手は自分のリズムで話しづらくなってしまいます。

人を喜ばすのはいいことだと刷り込まれている「おもてなしノイズ」があると、いつでもリアクションが大げさになりがち。大げさなリアクションには会話を盛り上げる効果もありますが、相手が求めていないときは逆効果になります。

努力するのは当たり前と刷り込まれている「ドMノイズ」があると、会話にも力が入り過ぎて質問が多くなりがち。それだけでも相手は話すのが面倒になります。さらに「ドMノイズ」は、自分だけでなく、相手にも努力を強要するところがあります。
話を聴いてほしいだけだったのに、努力を求められると、話しているほうは責められている気分になると思います。
人は強くないといけないと刷り込まれている「ちゃんとしなきゃノイズ」があると、「ドMノイズ」と同じように、自分だけでなく相手にも、ちゃんとすることを求めがち。そのため、余計なアドバイスが多くなります。

いずれのメンタルノイズも、上手な聴き手になるには妨げとなるノイズです。しかも、真面目な人のノイズは心のクセとして強く刻まれている傾向があります。相手のためと思っての行為かもしれませんが、相手が話しづらくなっていることを覚えておきましょう。

自己肯定感低めの人は、聴ける人になかなかなれない

成果が見えづらいのが会話

自己肯定感低めの人も、実は聴けない人です。さらに言えば、自己肯定感が低いままだと聴ける人になかなかなれません。
自己肯定感低めの人は、何をやるにしても自信がない、自分にはできないと思ってしまうところがあります。目の前に確かな成果が表れないと、なかなか自分を信じることができません。

その成果が見えづらいのが、相手との言葉のやり取りだけで終わる会話。
特に相談されたり、悩みを打ち明けられたりしたときは、聴いてあげたけど本当によかったのかまったく手ごたえがありません。相手から「聴いてくれてありがとう」と言われても不安です。

自己肯定感低めの人は、自信を持ってアドバイスするのは苦手なので、それこそ、「何もしてあげられなかった」という罪悪感を抱くのです。

自分は何もやっていない、何の役にも立っていない。

何かしないと価値がないと思っているため、聴いてあげる行為に価値を見出せません。そして、いつものように負けた気分になる。自己肯定感低めだと、人と話をする度に、この敗北感をくり返すことになります。
そのため、相手の話を聴くことに消極的になってしまうのです。

聴く技術 あなたの会話が今日から変わる
山根 洋士(やまね・ひろし)
心のクセを直す「メンタルノイズ」カウンセラー(心理カウンセラー)/一般社団法人メンタルノイズ心理学協会チェアマン(会長)。大阪府出身。早稲田大学中退。両親の離婚、熱中していたスポーツの挫折、就職の失敗などを経て、情報誌編集者からノンフィクションライターとして独立。金銭的な成功をつかむものの、激務のあまり過労死寸前で緊急入院。入院生活で「なんのために生きるのか」を模索し、心理療法を学び始める。心の風邪薬のようなカウンセリングを提供したいという想いからカウンセラーになる。
実践中心のカウンセリングで一線を画し、これまでに8,000人以上の悩みを解決。心理学だけでなく、数多くの経営者やスポーツ選手などへの取材経験、AIやロボット工学、脳科学などを取り入れたメンタルノイズメソッドを開発。カウンセラー養成講座のほか、お金の心理学、自己肯定感、願望実現などの講座を主宰し、延べ受講生は2,000名を超える。
著書『「自己肯定感低めの人」のための本』(アスコム)がメンタル本大賞2021優秀賞を受賞。そのほか著書多数。

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  1. ちゃんと聴くだけで、人は勝手に変わり始める
  2. 質問しないほうが伝わる、これが本当の「聴く」
  3. 頑張り屋ほどハマる、聴けない人の落とし穴
  4. 沈黙を怖がらない人ほど、本音に近づける
  5. 本当に聴ける人ほど、全部は聴かない
  6. 聴いただけなのに、感謝される
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