アイルランド島とグレートブリテン島を隔てているアイリッシュ海に浮かぶ小さな孤島、マン島では、政府が産業促進の一環として、e-gaming(オンライン・ゲーム)やギャンブルの発展に力を注いでおり、「ビットコインを世界の主流通貨に押し上げよう」と島全体が活発化している。
ビットコインが日常生活に流通しているマン島
ビットコイン関連のスタートアップはもちろん、ビットコイン決済に対応しているパブやタクシーから物理的なビットコインの製造販売会社まで、面積572平方キロメートル、人口8万人のマン島ではビットコインがごく日常的に利用されている。
しかし「孤島のトレンド」から「世界への流通」を目指すマン島の住民は、ビットコインにまつわる様々な問題の解決に積極的な動きを見せている。
ビットコインの法的規制で安全性を強化
マン島政府は仮想通貨に関する明確な規制の設立が、ビットコインを利用した犯罪の防止だけではなく、通貨としての価値の引き上げにも役立つとして、ビットコインのマネー・ローンダリング対策法案を打ち出した。
マン島経済省でe-gaming開発に携わった後、10月にe-gaming会社、Equiom Groupを立ち上げたピーター・グリーンヒルCEOは、「Designated Businesses Bill」と呼ばれる法案を議会に提出。これによって仮想通貨取引が、公的な取引監査制度などで認定されている資産取引と同等と見なされるようになる。
ウールノウCEO「銀行の消極的な姿勢が成長を阻んでいる」
昨年立ち上げられたマン島唯一のビットコイン取引所、CoinCornerのユーザーは、世界で既に1万人を突破。500件の加盟店と提携している。
新規口座の開設には、通常の銀行口座開設同様、KYCをベースにした厳格な身元確認を実施するなど、仮想通貨特有の不透明なイメージを払拭しようと働きかけている。
しかしチャーリー・ウールノウCEOの指摘通り、仮想通貨を脅威と見なす大手銀行の「流通に消極的な姿勢が、ビットコインの成長の足かせとなっている」という点をクリアするには、まだまだ時間がかかりそうだ。(ZUU online 編集部)