AI・ロボットが人間の仕事を奪う
これまでのAIやロボットは開発者の意図に沿った投資判断を行ってきました。つまり、運用戦略を考えるのはあくまで人間でした。しかし、今後は「人工知能が戦略を考え、人間に指示をする時代」もすぐそこまで来ているようです。
米国で1.43億ドルという資金を集めたSentient Technologies社が開発した投資システムは、戦略策定に人間の力を借りません。チーフサイエンスオフィサーのババク・ホジャッド氏によれば、このシステムは遺伝学からヒントを得た技術を使って自動的に戦略を編みだし、「今この銘柄をこれだけ、この手段で、この特定の注文方法を使って購入してください」という指示を人間に出すといいます。
24時間休みなく働いても文句一つ言わないAIやロボット。それらの発達により、将来的に人間の仕事が次々に奪われていくことが懸念されています。
米銀行大手バンク・オブ・アメリカはAIやロボットがこのままのスピードで進化を続けると、10年以内には製造業の45%が機械化され、人件費の削減額は9兆ドル(約980兆8,159億円)に上るという調査結果を発表しました。また金融関連業界からは20年以内に2,500万件の職が消えると予想しています。
確かにAIやロボットが人間の仕事を一部奪うかもしれません。だからといって、今それらを人間の「敵」と決めつけて排除すればいいのでしょうか。いくら優れたテクノロジーがあっても、人間ができることをすべてAIやロボットができるようになる訳ではありません。これらを上手に使って仕事や投資を効率化し、ロボットにはできない仕事をすることが求められつつあるのかもしれません。(提供: お金のキャンパス )
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