ビットコイン投資信託 (GBTC) のレーティングを開始した米資産運用会社ニードハム・アンド・カンパニーが、「ビットコインは現在、実際の価値よりも58%低く取引されている」とのレポートを発表した。
「ビットコインにはデジタル・ゴールドと決済手段としての価値がある」ため、現在は412ドル(約4万6338円)前後で取引されているが、実際は655ドル(約7万3642円)前後の価値があるという。
ビットコインの過小評価については専門家の間でも論じられており、実際の価値を600ドル(約6万7458円)前後と見積もる声が多方面からあがっている。
「将来的にはビットコインがブロックチェーンの中核に」
このレポートはニードハムでビットコインを研究しているスペンサー・ボガート氏が作成した。ボガート氏はビットコインの実際の価値を測るため、上場投資信託(ETF)が保有している金と投資対象としてのビットコインの割合を比較している。
レポートによると、現在ETFの金保有量は740億ドル(約8兆3250億円)相当。これに対してビットコインの時価総額は63億ドル(約7082億4600万円)。このうち48億ドル(約5396億1600万円)が投資目的だと仮定した場合、ETFの金の6%に匹敵する。
ボガート氏は「今後もビットコインへの需要は高まり続ける」とし、この数字が2020年までには25%(185億ドル/約2兆798億円)まで伸びると見込んでいる。
同様の理由で、昨年6月には米投資会社ウェドブッシュ・セキュリティーズなども、1年間でビットコインが600ドル(約6万7458円)まで値上がりすると予測していた。
このような価格差の裏には、ビットコインからブロックチェーンが独り歩きしている背景があるようだ。米オーバーストックの暗号証券取引所「tO」のように、ビットコインの流通を全面に押し出している企業が存在する一方で、デジタル・アセット・ホールディングスのように大手企業と提携して、独自のブロックチェーン・サービスを開発するスタートアップが急増している。
しかしこうしたプロジェクトが実験段階という枠組みを超えていないことから、ボガート氏は「やがてビットコインがすべてのブロックチェーン・セキュリティーの中核となる」希望を抱いているという。
昨年5月に急落を見せたGBTCだが11月からは再び盛り返し、現在62ドル(約6970円)前後で取引されている。( FinTech online編集部 )