明暗を分けるのは「幅のある専門性」
とはいえ、転職に成功する人と失敗する人の格差は生じる。その明暗はどこで分かれるのだろうか。
「1つは『幅のある専門性』があるかないかです。たとえば人事畑出身の人を比べても、ずっと採用だけやってきたという人材は、専門性はあっても幅が狭すぎます。対して、『人事制度の設計や運営を中心にやってきたが、採用や教育訓練も一通り経験している』といった守備範囲の広い専門能力を持った人材は好まれます。
さらに、日本に進出して間もない外資系企業であれば、日本の特殊な労働法制に詳しいなど、彼らが弱点としている部分を補える知識やスキルを持っている人は、引っ張りだこの人材になります。
2つ目は、専門性に加えて、プラスアルファの強みがあるかどうか。40代以上の転職は、ある程度のポストが用意されることが多く、より多面的な活躍が求められます。たとえば人事畑出身だが、営業部での勤務経験があり、『営業部門の人事マネージャーができる』という人であれば、それが売りになるのです」