英大手オンライン投資会社A.J Bellsが、Facebookのメッセンジャーアプリで株の売買ができるプラットフォーム「Youinvest」の開始予定を発表した。

今年4月のサービス開始以来話題を呼んでいるAI(人工知能)チャット機能「チャットBot」を利用して、より気軽にリアルタイムで投資を楽しめるDIY投資ツールだ。数か月以内に本格的なサービス開始を予定している。

ユーザー数9億人のFacebook、顧客13万人のA.J Bellsが最新のテクノロジーを屈指して始動させる次世代投資の幕開けとあって、早くも注目の的だ。

取引から相談まですべてチャットRobで完了

5月25日の試運転ではA.J Bellsデジタル戦略部門のディレクター、ティム・ハックル氏が、自らのFacebookアカウントで500ポンド(約7万7399円)相当のFacebook株の購入に成功。世界で初めてFacebookを通した株の取引きがリアルタイムで行われた。

利用法は非常に簡単。Youinvest専用口座を開設後、Facebook上でログイン。相談から購入まですべてチャットBotを通して行われる。具体的な利用法はYou Tube(「AJ Bell Youinvest - placing the first deal via Facebook Messenger」)でも観覧可能だ。

ログインごとに生成される「ワンタイム・パスワード・システム」でセキュリティー強化への配慮もなされている。

取り扱い銘柄などの詳細は発表されていないが、「顧客とのコミュニケーションや顧客の投資経験の向上に役立つ新しい投資チャンネルを常に探索している」というA.J Bellsの方針を反映するサービスとなるだろう。

1995年に設立されたA.J Bellsは「ロンドン・ウェルス・マネージメント・アワード」などで数々の賞を受賞している人気投資会社だ。取引資産総額280億ポンド(約4兆3377億円)と顧客からの信頼も厚い。

チャットBotはGoogleやLine、Skypeなどの対話アプリにも採用されており、Googleなど従来の検索エンジンに代わる次世代検索機能として急激に浸透している。

FinTechの盛り上がりで金融とテクノロジーのコラボレーションが珍しくなくなった近年、こうした新鮮な商品やサービスの登場がまだまだ期待できるはずだ。( FinTech online編集部

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