株式相場見通し,日経平均,底値固め
(写真=PIXTA)

日経平均予想ジ レンジ 15,395 ~ 16,322 円

今週は、日米中銀会合後の円相場急伸に加え、英国のEU離脱懸念の高まりを背景に、日経平均は4日続落を挟んで、サポートとされた4/8安値15,471円を割り込んだ。チャート上では、2/12安値14,865円に対する2番底模索の形状となった。

海外の焦点

6/14、15開催のFOMC会見では、政策金利見通しは3月時点と同様、年2回の利上げを据え置いた。年1回の期待もあったが、仕切り直しとなり、7月以降の利上げの可能性を残した。一方、6/16の日銀会合では、市場の予想通り金融政策の現状維持を決めた。市場では、英国の国民投票を前に、残り少ない緩和カードを温存したとの見方が広がっている。

市場の関心は、再びEU離脱の是非を問う英国の国民投票の行方に集中することになる。英中銀は約3,700億円の資金を臨時に供給し、英国がEU離脱を決定した場合、市場を安定させる対策に動き出した。ECBは英中銀と連携し、金融市場への流動性支援を打ち出す方針だ。欧州全体で投資家の信頼を高め、さらなる市場の混乱を抑制する狙いが窺え、EU離脱懸念を材料に波乱を続ける市場が安定に向かうことが期待される。

今後の焦点

今後の焦点は、米雇用がこれまで続いた増加傾向から減少傾向に転じるかどうか。もし、減少傾向に転じれば2007年以来のこととなる。米国株が長期上昇基調を終え、大幅下落のきっかけとなっただけに、リスクを警戒する必要はあるだろう。

また、これまでドル安、円高をもたらしてきた、米10年債利回りの動きも重要。米利上げが大統領選をまたいで、12月以降になるようだと、10年債利回りの低下により、ドル安、円高圧力が強まる可能性が考えられ、警戒しておきたい。

来週の株式相場

チャート面では、4/8安値を割り込み、2/12安値に対する2番底を探る形状となった。現時点の日経平均水準は、PER12.9倍となり、2/12安値時の12.97倍を下回り、売られ過ぎが指摘される。ただ、6/23までは円高進行への警戒感が強く、15,000円を保てるかがポイントとなりそうだ。

以上、来週の相場は、英国のEU離脱懸念で売り込んでいるだけに、残留となればリスク回避ムードの逆転も想定され、底値固めから反転の機会を探る展開と捉えている。日経平均のレンジとしては、6/6安値16,322円が上値意識され、下値は15,395円が目処となろう。

株式見通し6-17

伊藤嘉洋
岡三オンライン証券 チーフストラテジスト