高額報酬の代名詞といえば、日産自動車のカルロス・ゴーン氏だが、彼を超える桁外れな役員報酬を受け取った上場企業の役員がいる。ソフトバンクグループの元副社長ニケシュ・アローラ氏だ。高額報酬を受け取っているのは彼だけではないのだが、それを含めて今年の高額役員報酬ランキングには、ちょっとした変化が現れている
2016年3月期「役員報酬ランキングトップ10」
東京商工リサーチの調査によると、2016年3月期決算の上場企業のうち、6月30日17時時点で有価証券報告書を提出していた2442社について、役員報酬1億円以上を受け取った役員の個別開示を行ったのは211社、該当役員の人数は414人だった。ランキングは下記の通りだ。
1位 ( - )ソフトバンクグループ/ニケシュ・アローラ/64億7800万円
2位 (3位)ソフトバンクグループ /ロナルド フィッシャー/20億9600万円
3位 ( - ) アオイ電子/大西通義/11億6800万円
4位 (5位) 日産自動車/カルロス ゴーン/10億7100万円
5位 (6位) ユニバーサルエンターテインメント/岡田和生/9億4800万円
6位 ( - ) 武田薬品工業/クリストフ・ウェバー/9億500万円
7位 ( - ) 日立製作所/ジョン・ドメ/9億円
8位 ( - ) ソニー/平井 一夫/7億9400万円
9位 (9位) 日本調剤/三津原博/7億3700万円
10位( - ) シャクリー・グローバル・グループ/ロジャー・バーネット/7億3400万円
※( )内は前年にもベスト10入りしていた役員の前年順位
目立つ外国人役員……武田、日立
今年のトップ10で特徴的なのは、なんと言っても外国人役員が目立つことだ。10名のうち6名が外国人役員である。トップとなったソフトバンクグループのニケシュ・アローラ氏は、2015年3月期にも165億5600万円という破格の報酬を得ていたが、この時はまだ役員ではなかったためランクインしていなかった。株主総会直前の6月21日、自他ともに孫氏の後継者と見られていたアローラ氏が任期の満了とともに退任することが発表され、話題となった。
6位に入った武田薬品工業のクリストフ・ウェバー氏は40代で、グラクソ・スミスクラインのワクチン社社長などの経営手腕を買われて、2014年に社長兼COOとして着任し、翌年CEOに就任している。好調な業績を反映し、前年から4億円アップ9億500万円となった。
7位に入った日立製作所のジョン・ドメ氏も、開示ベースで同社としては過去最高額の報酬を得ている。データ分析を手がける米ペンタホの買収を主導するなど、米国事業拡大をけん引してきた氏の功績が認められたものだという。同氏は2015年4月に日立本体の執行役常務に昇格したため、今回初めて報酬開示となった。
トップ10からは漏れているが、トヨタ自動車のディディエ・ルロワ氏も6億9600万円の高額報酬であった。同氏はフランス出身で、2015年6月に外国人として初めて副社長に就任、先進国を統括する「第1トヨタ」のプレジデントを務める。ちなみに社長である豊田章男氏の報酬は、ルロワ氏の約半分強の3億5100万円だった。