なぜ、外国人役員の報酬はこれほど高額なのか?
外国人役員の報酬が高額になっている最大の理由は、世界市場で活躍できる優秀な人材を獲得するためだ。そのためには、世界水準の報酬を用意することが必須となるのである。例えば米国企業のCEOが得ている報酬を見ても、2015年12月期についてマイクロソフトが約6億円、アップルが約11億円、ゼネラルモーターズも約6億円などとなっている。
期中の業績に対する高額のオプション報酬を出したゴールドマン・サックスは、合計の報酬は28億円以上にのぼる。ほかにも、JPモルガン・チェースも合計約20億円にものぼる報酬を出している。こうした報酬を得ているトップクラスの人材をリクルートして、日本に拠点を置いた生活を強いた上でのグローバルな活躍を期待するためには、報酬を高額にするほかない。
高額の報酬の理由は他にもある。他社からの引き抜きを防衛するという、重要な役割も果たすのだ。言語に何の障害も感じずに、世界中の企業と高度な交渉を展開できる能力を持つ人材。残念ながら日本人の中にはなかなかいないのが現状だ。そのため、世界展開を図る企業のいずれもが、優秀な外国人役員の獲得に躍起となっている。
リクルートした人のプライドとモチベーションを保ちながら、十分に能力を発揮してもらう。そのためには、これまで日本人役員が得ていた報酬とは、違った観点に立った金額の提示も、当然のことなのかもしれない。(ZUU online編集部)