英語の勉強,目標,コーチング
(写真=The 21 online)

英語をマスターしたいなら、英語を目標にしてはいけない!?

英語を話せるようになりたい! と思っているビジネスマンは少なくないはず。でもなかなか勉強が続かない。それはなぜなのだろう? 『THE21』7月号でもお話いただいた、峯村真紀子氏に英語をマスターするための目標の立て方をご寄稿いただいた。

目の前の良いことが過大評価されてしまう!?

新年の目標で、もしくは新年度や新学期で、気持ちも新たに「2016年こそ英語を勉強する!」と誓った人はたくさんいるのではないでしょうか? 一方で、そのときの情熱はどこへやら、いつの間にか英語をやらなくなってしまった人も同じくらい多いと思います。

私自身も外資系企業で、英語が上達しなければ仕事に支障が出てしまう切羽詰まった状況にありながら、なかなか英語の勉強を続けられない時期が5年ほどありました。

その壁を打ち破ってくれたのが、その間に学んだ心理学やコーチングでした。今日はコーチングスキルを応用した、今度こそ挫折しないための英語目標設定のやり方をご紹介します。

英語を勉強すると決めたら、最初にやるべきことは何でしょうか?

●英会話学校を探す
●NHKの英語講座を観る・聴く
●書店に行って、良さそうな英語教材を買ってくる

残念ながら、いずれも不正解です。英語の勉強を英語から始めることは、挫折する最大の原因になります。

では、何から始めたらいいのか?

それは、英語の目標を正しく設定することです。正しい英語目標の設定には2つの要素があります。

① 英語以外の目標から決める
② 英語の目標は細かく分解して決める

1つ目の「英語以外の目標から決める」のは、将来得られるリターンをできるだけ大きなものとして感じるためです。

英語にかぎらず、何かを地道に努力し続けるには、ちょっとやそっとでは枯れない強烈なモチベーションが必要です。もし目の前に3000円置かれて、「今3000円もらう」か「1年間我慢して1万円もらう」か選べるとしたら、どちらが魅力的でしょうか?

「1年後といっても必ずもらえるとはかぎらないし、またこの場所へ来るのも面倒だなあ」と感じてしまう人の方が多いと思います。つまり、私たちの脳内では「将来得られる大きな良いこと」に比べて、「目の前の小さな良いこと」が過大評価されてしまうことを知っておく必要があります。

1年後にたった1万円しかもらえないのでは、簡単に今の3000円に負けてしまいます。では、1年後の100万円だったらどうでしょう? 1億円なら? 3000円の誘惑に負けずに1年後まで我慢できる価値になるように、英語以外の目標をふくらませてあげる必要があるのです。

当たり前ですが、英語は「手段」であって「目的」ではありません。それなのに、多くの人が英語そのものを目標にしてしまうので、時間が経つにつれて「英語」のためには頑張れなくなるのです。

そこで、もし英語が上達したら、

●何をしたいか
●どんなことができるか
●自分の人生がどう変わるか

について考えていきます。