楽天カードと言えば楽天市場をよく利用する人向けのカードだと思っている読者も多いかもしれない。ただ日常使いのクレジットカードとしても非常に使えるカードなのだ。そんな楽天カードのメリットと、ネットなどでウワサされているデメリットについて検証してみよう。
楽天カードの特徴をチェック
種類は意外にいろいろある
シルバーカラーのベーシックな楽天カードだけでなく、保証やサービスがワンランク上の「楽天プレミアムカード」、学生専用の「楽天カードアカデミー」、楽天銀行のキャッシュカードと一体になった「楽天銀行カード」、ETC機能が付いた「楽天ETCカード」、優待や施設割引、女性用保険など、女性向けサービスが充実の「楽天PINKカード」などのラインアップがある。
そして今年2月に誕生したANAマイレージ機能が付いた「楽天ANAマイレージクラブカード」があり、ニーズに合わせて選ぶことができる。券面がピンクの「楽天PINKカード」は女子を中心に人気が高い。
ブランドは楽天カード、楽天プレミアムカードであればVISA・MasterCard・JCB・AMEXの4種類、その他のカードではVISA・MasterCard・JCBの3種類から選ぶことができる。海外旅行や出張など海外使用の頻度が高い人は世界ブランドのVISAやMasterCard が便利だ。またJCBの場合はなんといってもセブン-イレブンのnanacoカードへのチャージでもポイントが貯まる点が魅力だ。nanacoカードは税金や公共料金の支払いなどにも利用できるので、JCBの楽天カードでチャージしてnanacoカードで支払うのが節約好きの間ではマストな裏技になっている。
気になる年会費と支払い方法
いくらポイント還元がお得でも、ポイント以上に年会費を払っていたらその意味がない。その点楽天カードの年会費は無料(楽天ゴールドカード、楽天プレミアムカード、楽天ETCカード、楽天ビジネスカードは除く。楽天ANAマイレージクラブカードは条件有)。入会初年度だけ無料というカードも多い中、うれしい永年無料である。
クレジット払いした費用の支払い方法は1回払い、2回払い、分割払い(3~36回)、リボ払いから選べる。金利は分割払いなら12.25%~15.00%、リボ払いなら利用残高に応じて支払い金額を5000円と1万円から選択でき、手数料は15%。こちらは一般カードにしては高いので注意が必要だ。
支払い口座の残高不足などで引き落としができなかった場合は振替日(毎月27日)から5日間、再振替を行っている(金融機関による)のも密かにオススメな点だ。
楽天カードの還元率は1%
クレジットカードで気になるのはやっぱり還元率だ。楽天カードでは使用金額に応じて楽天市場や楽天トラベルなどで使用できる「楽天ポイント」が貯まる。そのポイント還元率は3%。楽天市場では通常の買い物で1%のポイントが貯まるので楽天カードで決済すれば4%ものポイントが貯まることになる。楽天トラベルでの旅行代金や宿泊費など、まとまった額の決済をすればあっという間に1000や2000ポイントが貯まるだろう。
嬉しいのは楽天市場での買い物だけでなく、街での買い物や他のネットショッピングなどでも1%のポイントが貯まること。100円につき1ポイントが貯まる計算となる。最近は0.5%還元のクレジットカードが多いので、この還元率の高さはおトクといえるだろう。
また、楽天市場では「ポイント5倍ショップ」や、「楽天スーパーセール」などポイントアップキャンペーンも高頻度で行っているので4%どころか、それ以上の還元率の期間もしょっちゅうあるのだ。たとえばプロ野球の楽天イーグルスやサッカーのヴィッセル神戸が勝利した翌日は、ポイントがプラス1%になる。もはや通常ポイントの日が珍しいぐらいポイントアップのタイミングが多いので、知らない間にどんどんポイントが貯まっていることになる。
貯まったポイントは1ポイント1円で楽天市場や楽天トラベル、楽天ブックスなど楽天が展開するさまざまなサービスの支払いに使える。
意外と知らない!旅行保険も他カードより優位
付帯の海外旅行保険も充実している。楽天カードで旅行代金を支払うと最大2000万円の海外旅行傷害保険が適用される。傷害・疾病治療費用も最大で200万円付帯している。これは他の年会費無料のカードと比べても遜色のない設定額になっている。
発行期間約1週間は早いほう
申し込みは24時間いつでもインターネットででき、審査が通れば申し込みから約1週間でカードが発行される。ショッピングセンターや百貨店などが店舗で行っているような即日発行はしていない。GWなど休日が続く時は1週間以上かかるが、ネットでは人によっては1週間もかからずカードが届いたという報告もあり、他社と比べるとスピーディーに発行されるようだ。
ネットショッピングにありがちな不正アクセスなどにもしっかり対応
ネットショッピングの利用者が心配になるのが不正アクセスや商品の未着。楽天カードには楽天市場での商品未着の場合の請求取り消し精算や、決済時に第三者による不正が行われた際に損害金額を楽天側が保証するネット不正あんしん制度を自動付帯している。
電子マネーとポイントカードも一体化。街でも大活躍
楽天カードには電子マネーの「Edy」がついていて、オートチャージサービスも利用できる。また楽天ポイントカードの機能も付いているので、実際の店舗でも支払い時に楽天ポイントが貯められる。カード決済すればさらにポイントアップに。楽天ポイントの加盟店はサークルKやサンクス、ミスタードーナツ、プロント、大丸・松坂屋など、どんどん増えているので街ナカでの使用頻度も今後ますます高くなるだろう。
サポートセンターの対応が悪いって本当?
審査のスムーズさやCMなど露出の多さもあって、楽天カードホルダーは増えているようだ。その分、ネガティブな意見もネットでは見られるようになってきた。特によく見受けられるのはサポートセンターの対応が悪いという声。しかしコールセンターにかけて長時間待たされるのは楽天カードにかぎらず他のカード会社でもよく見られることだ。ステータスカード会社と比べれば、一人のオペレーターあたりの顧客数が多い分だけ回線がつながりにくいものだ。
もっとも、金融事業に積極的に参画している大手企業のサポートセンターなので不適切な説明や対応をしていれば、すでに法的な措置を取られているはずだ。会員にもカード事業を理解していないユーザーが多く、通常のカード会社よりはネガティブな意見が目立ってしまうのかもしれない。
2枚目カードや日常の買い物カードにオススメ
クレジットカードは利用限度額を超えると振替日までカードが使用できないので2枚以上は持っておきたい。例えば、海外旅行前に出費がかさんでしてしまって、旅行先でカードが使えなくなった、といったことは避けたい。楽天カードの場合、ステータスカードにはならないので2枚目カードとしてオススメだ。ポイント還元率が高いので外食やスーパーなど、日常的な買い物に利用すればポイントバックで家計の足しになる。
例えば、安い物と高い物で買う時にカードをわけることで、家計管理がラクになる。使い分けるメリットは工夫次第で他にもありそうだ。食料品から日用品まで、家計におけるネットショッピング依存度はますます高くなるので、今のうちから賢く利用すれば、支出を抑えて貯金を増やすことも可能だろう。
楽天カードのメリットはその経済性にとどまらない。ポイント以外にも注力したい魅力をご紹介しよう。
楽天カードの保有メリットを長期視点で考える
楽天は買い物だけでなく旅行、銀行、保険、証券、ネットスーパー、エンターテインメントなど、自社のウェブサイトですべてが完結するサービスを目指しており、そのすべてをつなぐカギとなるのが「楽天ポイント」だ。ポイントは共通IDで管理でき、楽天経済圏内で各種サービスやショッピングで貯めたり使ったりできる。その際の決済ツールとなるのが「楽天カード」やカードに付帯している「楽天Edy」だ。
「楽天カード」によってネットとリアルが融合することで、より利便性が高くなり、会員の付加価値が一層高まる。例えばリアルであなたが服を買った情報を踏まえて、楽天市場であなたの好みや体型にあった服を最安値で提案するサービスができるかもしれない。先の話にも思えるが、ITを駆使したユーザーの満足度向上サービスは楽天だからこそ推進できるのだ。
楽天カフェでメニュー半額に
ちなみに、渋谷と二子玉川にある楽天カフェでは楽天カード決済でコーヒーと紅茶が半額になる。もちろん楽天ポイントも貯まる。楽天カフェは全席に電源があり、Wi-Fi環境も整備。楽天市場で販売されている人気スイーツがそろっており、楽天Koboで最新の雑誌が読めるなど長居ができて居心地のいい空間になっている。東京以外の人には魅力を感じることができない特典ではあるが、今後の店舗拡大を期待しよう。
お得なキャンペーンがとにかく多い
楽天カードをまだ保有していない人はぜひ入会キャンペーンに注目しよう。新規入会&カード利用で5000円~7000円相当の楽天ポイントがもらえるキャンペーンが高い頻度で実施されている。なんでもそろっている楽天市場で5000円使えるのはかなりのお得感。他のクレジットカードでここまでの高額特典はなかなか見かけない。
今実施されているキャンペーンは新規入会特典2000ポイント、カード利用特典として3000ポイントプレゼントのキャンペーンだ。ポイントの発生条件も随時チェックするようにしよう。入会特典の2000ポイントの受け取りは入会後、カード専用サイト「楽天e-NAVI」で申請する必要があるが、この2000ポイントは有効期限がないポイントになっている。利用特典の条件はカード到着から翌月末、もしくは翌々月末までにカード利用することで、期限内に一度でもカード利用すれば3000ポイントが付与される。
ただしこのポイントは有効期限があるので注意。楽天ポイントは日常的にどんどん貯まる印象があるが、キャンペーン付与ポイントなど、期限があるポイントも多いので注意が必要だ。気づいたらうっかりポイントが消えているという場合もある。日頃から楽天市場などで買いたいものをピックアップしておくのが賢い楽天利用術だろう。
以上、ポイントバックのお得さはもちろん、それ以外にも「楽しい」魅力が詰まった楽天カード。ステータスカードにはならないが、日常的に気軽に使えるのでメインカードにプラスする2枚目カードとしてオススメだ。