新たな防波堤が必要となるスタートアップ

融資スタートアップにとっては、強力なライバル出現となることはいうまでもない。

FinTechスタートアップのアピールポイントは、低利息、スピード、利便性。従来の大手金融機関が提供していないこれらのメリットを、全面に押し出すことで消費者を誘致している。

しかしアメリカン・エキスプレスがその壁を崩そうと踏み出した今、スタートアップは新たな防波堤を築きあげる必要性に迫られるはずだ。

例えば米モバイル決済会社、スクエアは事業の売上から直接返済するビジネス融資「Square Capital」、米オンライン融資会社、オンデック・キャピタルはビッグデータを利用したスピード融資で顧客を獲得したが、融資限度額や利息を比較してみると、「Working Capital Terms」に軍配があがる。

「Square Capital」の融資額は7500ドルから1万ドル(約75万3975円から100万5300円)、利息は9%から13%。オンデックのビジネス融資は5000ドルから50万ドル(約50万2650円から5026万5000円)に、9%の利息が加算される。「Working Capital Terms」が最も幅広い融資額と低利息を提供していることは、火を見るよりも明らかだ。

また大手にはスタートアップとは比較にならないほどの、経験と知識、そして巨大なネットワークがあるという点でも、非常に有利な立場から戦略を進めることが可能である。

大手対スタートアップの新たな激戦の火ぶたが、融資のジャンルでも切って落とされそうだ。( FinTech online編集部

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