確定拠出年金の注意点

さまざまなメリットがある確定拠出年金ですが、注意すべき点もあります。運用方法の選択次第で元本を割り込む恐れもあることです。元本確保型と元本変動型がありますが、元本変動型の運用方法を選択すると、投資元本を割り込む可能性も出てくるのです。

基本的に途中解約や年金資産の引き出しができないため、原則60歳まで一時金や年金を受け取ることができません。そのため、60歳より前に退職した場合でも60歳になるまで年金を受けられないので注意が必要です。

NISAと比較してみると

運用益が非課税という点では、NISAに似ているといえます。

NISAとは少額投資非課税制度のことで、証券会社や銀行にNISA口座に作れば5年間に限り、毎年120万円の上限まで(最大600万円まで)非課税投資枠が設定され、NISA口座での株や投資信託等の配当・譲渡益が非課税となります。

確定拠出年金とNISAとの違いは、確定拠出年金は60歳まで資産を引き出せませんが、NISAはいつでも引き出しが可能です。また、掛け金の積み立てが所得税や住民税の控除の対象として、NISAは認められていませんが確定拠出年金は認められているという違いもあります。

確定拠出年金にもNISAにもそれぞれ長所・短所がありますし、必ずしも「NISAと比較してどっちにするか」ということではないでしょう。数ある金融商品や投資スタイルの中から、自分が思い描く将来に合った、自分がとれるリスクに見合った投資方法を見つけましょう。

現在、確定拠出年金は、まだあまり知名度は高くありません。しかし加入対象者の範囲が広げられたことから分かるように、国も今後、普及に力を入れると見られます。知名度が高まれば、より多くの人が税制面でのメリットに着目し、さらに活用されるようになると考えられます。(提供: お金のキャンパス

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