「世の中の投資案件の95%は詐欺」 いかに守るか?

「自衛」が必要な時代になっていることを述べた。最近、筆者はお金に関するセミナーを開催することが増えたが、老若男女さまざまな人たちが受講しにやってくる。世の中の常識が変わりつつある今、その時代性に合わせた勉強が必要なことを、誰もが気づき始めているからだといえそうである。

そして、これからは「お金に働いてもらう」という考え方が重要であり、投資を含めた複数の収入源を持つなどの対策をしたい。

資産形成の一番の味方が何かというと、それは時間である。行動するのに早すぎるということはないが、「世の中の投資案件の95%は詐欺」だそうである。冒頭でも述べたが、まず必要なのはいかに増やすかではなく、いかに守るかという点だ。

騙されやすい人の特徴とは?

それでは、もっとも詐欺に騙されやすい人とは、どんな人なのか?それは、「資金があり、かつ意欲がある人」だ。実は、筆者もかつては投資詐欺にあった経験があるので、その言葉の意味するところは、痛いほどよくわかる。筆者がマネースクールの開講を決意した理由も、それをきっかけとし、日本から騙される人をなくしたい一心である。資金を貯めるのは一苦労でも、それが失われるのは本当に一瞬のことだから。未然に防げた詐欺被害の防止や被害にあった方のケアを含めて、すでに約2億円の効果を上げている。

どの道の専門家であっても、資産形成に関しては、まったく別の世界のことだと思っているくらいでちょうどいい。安易に大切な資金を冒険させないで、まずは守りから固めてほしい。なぜなら、地雷の避け方さえ分かれば、自らの足で踏み出して経験を積むことができるからである。

俣野成敏(またの なるとし)
1993年、シチズン時計株式会社入社。31歳でメーカー直販在庫処分店を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。2012 年に独立。複数の事業経営や投資活動の傍ら、私塾「プロ研」を創設。お金・時間・場所に自由なサラリーマンの育成に力を注ぐ。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)『トップ1%の人だけが知っている「お金の真実」』(日本経済新聞出版社)など30万部以上の著作を持つ