食生活,改善,ダイエット
(写真=The 21 online)

「たんぱく質中心」にすれば、身体が変わる

「40代になってから、食事の量を減らしても痩せない」などという声をよく耳にする。なぜ、歳を取るとどんどん痩せにくくなっていくのだろうか? 運動不足を言い訳にしている人が多いが、多くの人のダイエットやボディメイクを指導する森拓郎氏は、「運動はほとんど関係ない。問題は食事の内容」と指摘する。痩せたい40代に向けてアドバイスをいただいた。

年齢とともに痩せにくくなる本当の理由

一般的に、年齢とともに痩せにくくなると言われます。それは、加齢とともに基礎代謝が低下するからです。

代謝とは、「体内に入ってきた栄養素をどう使うか」ということです。大きく分けると3種類あり、「基礎代謝」(何もせずにいても消費されるエネルギー)が6~7割、「生活活動代謝」(日常生活や運動などで消費されるエネルギー)が2~3割、「食事誘導性熱産生」(栄養素が分解されて、その一部が耐熱となって消費されること)が1~2割です。

「代謝を上げる」とは、体内にあるエネルギーや栄養をうまく扱えるようになること。これが、健康的に痩せるために必要なことなのです。

何もしなければ年齢とともに基礎代謝は落ちていきますが、食習慣の改善によって代謝を上げることは可能です。そのためにもっとも重要なのが、たんぱく質を摂ることです。たんぱく質は代謝の要となる筋肉など、身体のあらゆる構成要素です。毎日の食事内容を「高たんぱく・低糖質」に切り替えることで、無理なく理想的な身体に近づけられます。

そもそも多くの人は、糖質過多・たんぱく質不足の食事が習慣になってしまっています。少し意識してそのバランスを変えるだけでも、効果があります。とはいえ、何をどう変えれば良いのか、見当もつかないという人もいるでしょう。そこで、今日からできる食習慣の改善方法を具体的に紹介します。

PFCバランスを見直して代謝を上げよう

農水省推奨のPFC たんぱく質(P)15%、脂質(F)25%、炭水化物)(C60%
森拓郎式PFCバランス たんぱく質(P)30%、脂質(F)40%、炭水化物(C)30%

国が推奨しているP(たんぱく質)F(脂質)C(炭水化物)のバランスは、白米を中心とした従来の日本食である。このままでも健康な身体を作る食事のバランスは取れているが、代謝を上げるためにはたんぱく質の割合を増やし、エネルギーにしかならない糖質(炭水化物)の量を減らすことが重要だ。高カロリーだからと動物性たんぱく質が豊富な肉を敬遠したり、たんぱく質が少ないサラダだけで食事を済ませると、代謝に必要な筋肉が分解されてしまうので、くれぐれも注意したい。

STEP1 自分の食習慣を振り返る

なかなか痩せられない人はまず、自分の食習慣を振り返ってみましょう。「かきこむような食事」をしていたり、「甘い飲み物」を飲むことが多かったりしませんか?

たとえば、朝は朝食抜きで通勤途中に缶コーヒー。昼は丼物かラーメンで済ませ、夜は外食か飲みに行く――。太っている独身男性にありがちなパターンです。

丼物やカレーライス、ラーメンなどは、「かきこむような」食べ方になりがちなメニューです。その多くは炭水化物がメイン。すぐに食べられて満腹感も得られる便利な食材ですが、頼り過ぎると必要な栄養素が不足し、代謝の低下に拍車をかけます。また、咀嚼回数が減るので、消化が悪くなるという弊害も懸念されます。

甘い飲み物が手放せない人は、飲み物から糖質を過剰に摂取しています。水やお茶に切り替えることをお勧めします。