先週発表された主な経済指標

◆7月1日 中国製造業PMI 7月 49.9 市場予想 50.0 前月 50.0

7月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.9と市場予想の50.0に届かず、前月から小幅に悪化しました。内訳をみると、生産(52.5→52.1)や海外受注(49.6→49.0)、新規受注(50.5→50.4)が悪化しましたが、雇用(47.9→48.2)と在庫(47→47.3)は小幅な改善がみられました。

◆7月1日 財新(Caixin)中国製造業PMI 7月 50.6 市場予想 48.8 前月 48.6

7月の財新中国製造業PMIは50.6と2015年2月以来1年5ヶ月ぶりに好不況の判断となる50を上回りました。

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今後発表される主な経済指標

◆8月7日 中国外貨準備高 7月 32011億ドル 市場予想 32000億ドル 前月 32052億ドル

7月末の外貨準備高は32011億ドル(約326兆円)と前月から減少したものの、市場予想を上回りました。中国外貨準備高が小幅に減少した理由は、中国人民銀行が市場介入を抑制したことや、ドル相場下落で他の保有通貨の評価額が増加したことなどが挙げられます。

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◆8月8日 中国貿易収支 7月  +523.1億ドル 市場予想 +473.0億ドル、前回 +481.1億ドル
輸出 7月  -4.4% 市場予想 -3.5%、前回 -4.8%
輸入 7月  -12.5% 市場予想 -7.0%、前回 -8.4%

7月の中国の輸出は前年比4.4%減と前月から減少率がやや縮小したものの、3.5%減の市場予想に届きませんでした。また、7月の輸入は7%減を見込んでいた市場予想に対して前年比12.5%減となり、減少率が前月から大きく拡大しました。この結果7月の貿易収支は前月から黒字額が増加し523.1億ドルの黒字となっています。

輸出については、「中国輸出金額の推移 地域別」のグラフを見ると、米国向けの輸出を除く各地域向けの輸出が減少しました。特に、米国向けの輸出(6月の145→7月の149)の増加が目立った一方で、アジア(6月の199→7月の194)や日本(6月の119→7月の111)、欧州(6月の113→7月の107)向けの輸出が揃って減少傾向がみられました。

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◆8月9日 消費者物価指数(CPI、前年比) 7月 市場予想 +1.8%、前回 +1.9%

一部食料関連価格の伸び悩みから、7月のCPIは前年比+1.8%の増加と前月から伸びがやや低下すると予想されています。

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◆8月9日 生産者物価(PPI、前年比) 7月 市場予想 -2.0%、前回 -2.6%

鉄鉱石をはじめとした一部原材料価格が上昇したこともあり、7月のPPI は前年比-2.0%と減少幅が前月から縮小すると見込まれています。

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◆8月12日 固定資産投資(前年比) 7月 市場予想 +8.9%、前回 +9.0%

固定資産投資額は、農村部を除いた都市部の建築工事や設備工事費を集計したものです。先月に鉄道の固定資産投資の上昇が全体の一定の支えとなりましたが、政府の規制による不動産などの伸び鈍化から7月の固定資産投資額は前年比8.9%増と先月から伸びが低下すると見込まれています。

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◆8月12日 鉱工業生産(前年比) 7月 市場予想 +6.2%、前回 +6.2%

7月の中国製造業PMIが小幅に悪化したことと財新製造業PMIが大幅に改善したことが交錯する中、7月の鉱工業生産は前年比6.2%増と伸び率が前回から横ばいと見込まれています。

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