マーケットビュー

◆上海株 薄商いとなりやすく経済指標を睨みながらの展開か 香港市場は企業の決算発表に注目

先週の上海総合指数はほぼ横ばいでした。中国の7月の製造業PMIの小幅悪化を受けて売りが先行した上海総合指数ですが、7月の中国主要100都市の平均新築住宅価格の上昇や、中国国家発展改革委員会による政策文書などが好感され、その後は3日続伸と堅調に推移しました。

週末に中国人民銀行(中央銀行)の公開市場操作が3週ぶりに資金吸収超過へ転じたことなどから反落となった上海総合指数ですが、週間では2ポイント安とわずかな下落に止まっています。

先週のハンセン指数は反発し1.2%高となりました。米国の4-6月期の国内総生産(GDP)の伸び率が予想を大きく下回ったことでFRBによる早期の米利上げ観測がやや後退したことから買いが先行し節目の22,000ポイントを回復したハンセン指数は、欧米株安や原油価格の下落、悪化した中国の財新サービス業PMIなどが嫌気され22,000ポイントを下回る場面もありましたが、イングランド銀行(英中央銀行)による金融緩和を受けて22,000ポイントを回復し、7月27日に付けた年初来高値(22,218.99ポイント)まであと一歩に迫って取引を終えています。なお、2日の香港市場は台風の影響で休場でした。

今週の上海総合指数はリオ五輪の開催もあって薄商いとなりやすいなか、主要な経済指標を睨みながらの展開となりそうです。仮に市場予想に届かない経済指標が続くようだと売りに押される展開となりそうですが、追加緩和への期待が相場の下支えとなり下値は限られそうです。

今週のハンセン指数は先週末の米株高を受けて買いが先行し先月27日の高値を上回ってのスタートとなっています。また、一部の市場参加者による10月の香港―深センの相合取引の開始期待などが追い風とりそうで、今週にハンセン指数が利益確定の売りをこなしてさらに上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

こうしたなか、9日に不動産大手のチャイナオーバーシー (中国海外発展・00688)、10日にホンコンエクスチェンジ (香港証券取引所・00388)、11日に通信チャイナモバイル (中国移動・00941)と複合企業のCKHホールディング (長和・00001)、そして12日にカジノのサンズチャイナ(金沙中国・01928)が決算発表を予定しています。

林宇川(TonyLin)
マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

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