サウナは「じんわり」温かいくらいがお勧め
疲労回復に最も効果の高いサウナの入り方は「低い温度で身体をじんわり温める」ことです。お勧めしたいのは60度程度の低温のサウナに15分ほど入ること。このぐらいの温度なら、血管を拡張し、身体への好影響が多いと研究で報告されています。中でも、ミストサウナは40~50度と温度が低めなのでお勧めです。
サウナはお風呂と違って水圧の刺激がないので、心肺の疾患や高血圧の既往症がある人でも比較的安心して楽しめる、身体にやさしい温浴といえます。
一方、90度ぐらいの高温のサウナは本来、健康で元気な人が交感神経を刺激する目的で利用するもの。体力が落ちた人や心血管系に疾患がある人には少々、刺激が強すぎるといえるでしょう。
サウナに入る際は、額から汗が出たらいったん出るようにしましょう。ガマン比べのように汗を流しながら粘っている人がいますが、これは熱中症を引き起こす危険があり、かえって健康を害しかねません。
サウナ後の冷水浴もまた危険行為。急激な温度変化は、狭心症や不整脈を起こす原因になります。スッキリしたかったら、体温よりぬるい30度ぐらいのシャワーで。
私の研究では、39度の岩盤浴の温浴効果で不安軽減効果が確認されました。ほどよく身体を温めることで、身体面にも精神面にも良い効果が望めるようです。
早坂信哉(はやさか・しんや)温泉療法専門医 医学博士
1968年生まれ。宮城県出身。自治医科大学大学院医学研究科修了。浜松医科大学准教授、大東文化大学教授などを経て、現在、東京都市大学人間科学部教授。(一財)日本健康開発財団温泉医科学研究所所長。生活習慣としての入浴を医学的に研究する第一人者。テレビ、講演などで幅広く活躍。著書『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』(角川フォレスタ)。(取材・構成:麻生泰子)(『
The 21 online
』2016年7月号より)
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