良いM&Aアドバイザーの見分け方

M&Aアドバイザーの要件は、豊富な専門知識を持っていること、対象業界におけるM&Aの実態に明るいこと、そして何よりも「人間的に誠実である」ことなどが挙げられる。ただ現実問題として、初期の段階にアドバイザーの知識レベルがどの程度なのかを見抜くことは容易ではない。

そこで一つの目安にできるのが、依頼内容に対するアドバイザーの態度だ。中小企業のM&Aは、決して成功率の高い仕事とは言えない。それを100%実現が可能だと言ったり、高額な売却見込み額を提示したりといった安請け合いをほのめかすアドバイザーは、あまり信頼できない場合が多いと判断して良いだろう。

また、M&A関係の資格を持っているアドバイザーも少なくないが、こうした資格はあくまでも民間企業が比較的最近作ったものに過ぎず、公的資格ではないことにも注意が必要だ。もしM&Aや業界の実情に詳しければ、そうした資格にこだわる必要もないはずだからだ。

アドバイザーがM&Aを専業にしているかどうかも、判断材料に加えられるだろう。M&Aは片手間仕事でこなせるような単純なものではなく、また、コンスタントに契約を成立させているアドバイザーなら、兼業の必要もないはずだからだ。

どのようなネットワークを持っているのかを確認する

M&Aを決心したとして、まずは自社のニーズを明確化しておく必要がある。アドバイザーは経営者が計数面の他、人的、物的な強み・弱みをしっかりと自己認識できるよう、適切にガイドする役割を担う。売買の候補会社を探す段階では、幅広く業界に精通していることが必要になり、候補企業との取引条件を交渉する際には、相当な折衝能力が要求される。

もし大まかな取引条件が固まったとしても、M&Aの手続き自体、法的にも非常に複雑で専門的だ。単独のアドバイザーに、こうした各場面のすべてにおいて完璧であることを求めるのには無理がある。大切なのはそのアドバイザーが、経営戦略、税務会計、法務、業界情報など、それぞれの分野に長けた企業や人材のネットワークを駆使できるかどうかだ。

いずれにせよ、適切なアドバイザーを選ぶことが、M&Aの成否の鍵を握ると言っても決して過言ではない。上記を参考に、成功に向かっての第一歩を踏み出してほしい。(提供= M&Aアドバイザーズ )