上期ヒット商品にもランクイン

トップ スーパーナノックスは日経MJの今年上半期のヒット商品ランキングでも前頭にランクインしている。

トップ スーパーナノックスの上期の販売金額は計画比8%増で推移。ライオンは、大阪工場と千葉工場でトップ スーパーナノックスの生産量を従来の液体洗剤比で2割増産している。ライオンは濃縮タイプの販売に注力することで、衣料用洗剤のシェア拡大を目指している。トップ スーパーナノックスを柱に衣料用洗剤の売上高に占める濃縮タイプの比率を3年で約3割に高める計画だ。

一般用消費財の売上増、ミックス改善が利益大幅増に貢献

ライオンの売上の約59%を占める同社の主力商品が一般用消費財部門だ。

一般用消費財はハミガキなどのオーラルケア分野、ハンドソープなどのビューティケア分野、衣料用洗剤などのファブリックケア分野、台所用洗剤などのリビングケア、バファリンなどの薬品分野に分かれている。

トップ スーパーナノックスはこの一般用消費財のファブリックケア分野に含まれる。

この分野の上半期売上は5%増となり、セグメント別の営業利益は2.4倍になっている。営業利益の上期増益額である47億円のうち実に77%近い36億円が一般用消費財分野の寄与だ。スーパーナノックスという高付加価値の新製品の売り上げ増と売上ミックスの改善による採算改善が利益拡大を牽引している。

株価は5月の上方修正で大きく買われた

株価は2月12日に956円とトップ スーパーナノックス発売前に今年の年初来安値を付けた後、5月9日の上方修正で7月8日の年初来高値の1778円まで86%上げた。

その後、7月29日の上方修正や8月3日の好決算は市場では改めて材料視はされず8月19日安値1370円まで下落。これには7月高値以降、食品や医薬品といったディフェンシブなセクターが売られ、テクノロジーセクターなどが買われた影響だと思われる。

また、他の消費財と同じように、インバウンド消費の一服を嫌気した面もあるかもしれない。ただ大幅増益で、再上方修正の可能性もあり、今後も株価動向には注目したい。

新製品の評判や売上で株が買われることは非常に多い。実際にライオンのように新製品で業績が一変することもある。株式投資では、好感度の高いアイドルやタレントが宣伝している商品に注目するのも面白いアプローチだろう。(ZUU online編集部)