日米金融政策決定会合,黒田日銀総裁,イエレンFRB議長
(写真=PIXTA)

ドル円予想レンジ 99.90- -104.00

「no rush to raise interest rates(利上げを急ぐべきではない)」-。これはブレイナードFRB理事が9/13の深夜2時頃に述べた弁だ。それから約8時間後、麻生財務相は「日銀が2%の物価安定目標に向けていろいろと検証していくことを期待している」と語っている。

黒田日銀総裁とイエレンFRB議長

今夏は映画「シン・ゴジラ」「君の名は。」が大ヒットを記録(どちらも東宝作品)。筆者は「シン・ゴジラ」には政治を、「君の名は。」では揺れ動く心の描写を感じたのだが、それを9/21予定の日米金融政策決定会合にそれぞれ当て嵌めて推考してみた。

日銀会合・黒田総裁に対しては、政治と市場からの圧力に挟まれた展開、一方のイエレンFRB議長には、利上げに惹かれる一方で政治に配慮した揺れ動く乙女心を想像する。

日銀会合において前出の麻生発言が政治による期待の代表例であり、対してマイナス金利の深掘りに動くとの見方が日増しに強まっている中、「景況感の向上は感じられない」とした国部全銀協会長の牽制姿勢が市場の声、となろうか。

FOMC・イエレン議長においては、8月下旬に年内利上げ志向を示したものの、11月の米大統領選挙、9/26 第1回大統領候補テレビ討論を控え、選挙戦の材料になり得る金融政策の変更を提供したくないとの心の葛藤が垣間見える。邪推かもしれないが、大統領副補佐官、国際担当財務次官を歴任し、民主党クリントン候補に近いとされ将来の女性財務長官筆頭候補とも囁かれる“ブレイナード発言”に政治的配慮を感じる。

「シン・クロダ」「(イエレン)君の名は。」のオチ

円に関しては市場の満額回答が“永久債・外債”購入と期待視されている中では、仮に購入額拡大や国債利回り曲線フラット化修正等を強めても、円安浮揚力が強まるかは疑わしい。「シン(新・真・神)クロダ」への覚醒には、ハードルが高そうだ。

ドルに関しては大統領選挙期間中であることから、ドル急騰につながる過度な利上げ志向は抑制し、金融政策が論争の対象になることを避け、政治に制約にさせぬよう、名を問われるほどひっそりとした議長会見になるのではなかろうか。

9/19週ドル円上値焦点は、日足一目均衡表雲の帯102.25-103.05攻防であり、越えれば9/14高値103.36、9/6高値103.81を意識。9/2、5高値圏104.15-33は望外か。下値焦点は9/7安値101.19。割れると8/26イエレン発言時の100.045、8/19、8/23安値99.89-93維持が問われると推考。

為替見通し9-16

武部力也
岡三オンライン証券 投資情報部長兼シニアストラテジスト