メルセデス・ベンツ日本は、9月からメルセデス・マイバッハのラインアップに「メルセデス・マイバッハ S600 プルマン」を加え、受注を開始した。マイバッハ S600 プルマンはラグジュアリーなリムジンタイプのプレステージカーだ。完全受注生産で、価格は8800万円。マイバッハを詳しく知らない人にマイバッハの秘密をこっそり教えよう。世界一高い車はランボルギーニ・ヴェネーノの4億円と言われているが、マイバッハにはなんと8億円のモデルもあるのだ。
マイバッハはドイツの高級車の歴史そのもの
マイバッハ社はヴィルヘルム・マイバッハが息子のカール・マイバッハとともに1909年に創業した会社だ。ヴィルヘルムは、マイバッハ創業前にはダイムラー社のエンジン研究者で、ゴッドリーブ・ダイムラーとともにメルセデスの第1号車を設計している。マイバッハは、歴史的にもダイムラーに近い。飛行機の原点となるツェッペリン飛行船のエンジンを作っていたのはマイバッハ社だ。ドイツの戦車のエンジンもマイバッハがほぼ独占している。
マイバッハ社は、メルセデス社とともにドイツの高級車の歴史を担ってきた。1952年のカール・マイバッハの引退を機にダイムラー・ベンツが 50%の株式を所有、1969年にはダイムラー・ベンツに吸収合併され会社としての歴史は終焉した。
マイバッハがブランドとして復活したのは2002年。当初は独立したブランドではなく「メルセデス・ベンツ・マイバッハ」という名称でメルセデス・ベンツ・ブランドの最上位車種として販売する予定だった。しかし「メルセデスはSクラスが最高モデルであるべき」という経営陣の判断で、独立ブランド「マイバッハ」として展開されることになった。独立ブランドのマイバッハは4000万円を超える価格だった。
しかし、マイバッハは収益的に成功せず、メルセデスは2013年にマイバッハブランドから撤収することになった。その後、メルセデス・ベンツSクラスの最上位グレードとしてマイバッハの名は存続することになった。最初の構想に戻ったのだ。
メルセデス・マイバッハの誕生
メルセデス・ベンツのラインナップとして、「究極のエクスクルーシブ性」を追求する威厳と風格を備えて新しく生まれ変わった「メルセデス・ マイバッハ」。リムジンなどの高級路線で高級車のメルセデスの中でもさらに特別なラインとして扱われている。
メルセデス・ベンツ日本は2015年2月からメルセデス・マイバッハSクラスを販売開始した。現在、日本のメルセデスで扱っているマイバッハは、メルセデス・マイバッハ S550(2222万円)、メルセデス・マイバッハ S600(2626万円)の2種であり、それに受注生産のメルセデス・マイバッハ S600 プルマン(8800万円)が加わった。
メルセデス・マイバッハ S600 プルマンは、ラグジュアリーなだけでなく、最大出力530PS、最大トルク830Nmの6.0リッターV型12気筒ツインターボエンジンを搭載し、7速オートマチックトランスミッション「7G-TRONIC」を組み合わせており車としての性能も高い。